投資信託協会のデータによると、2023年上半期(1~6月)の投資信託の資金流入額トップ5は全てが株式型となりました。
商品分類では、国内外株式(以下、内外株式)と海外株式に分類できます。
今回は商品分類別にパフォーマンスのデータを確認します。
内外株式型は商品分類平均を上回る騰落率
まず内外株式の「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」と「インベスコ世界厳選株式オープンファンド(毎月決算型)」を比較します。
ともに運用対象が世界株式となります。
まずは騰落率です。「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」は2018年10月に設定されたため、過去5年と10年のデータはありません。
「インベスコ世界厳選株式オープンファンド(毎月決算型)」の方が「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」と比べ騰落率は高くなっていますが、両商品ともに商品分類平均を上回る好パフォーマンスを記録しています。
過去の騰落率はインベスコ世界厳選株式ファンドの方が高いですが、今後「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」の方が高くなる可能性があります。
シャープレシオは「運用効率を表す指標」となります。
シャープレシオ=(ポートフォリオの収益率-無リスク資産の収益率)÷ポートフォリオの収益率の標準偏差
無リスク資産の収益率とは短期の市場金利となり、日本では「無担保コール翌日物」の適用が一般的とされています。
数値が大きいほど、リスクに比べて大きなリターンが期待できることから、運用の効率性が高いことを示しています。
過去1年は「インベスコ世界厳選株式オープンファンド(毎月決算型)」が上回っていますが、過去6カ月と3年は「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」がやや上回っています。
ただし、ともに商品分類平均を上回っており、運用効率の高い商品と言えます。
米国株式型は運用効率がいずれも高い
続いて、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、「SBI・V・S&P500インデックスファンド」、「楽天・全米株式インデックスファンド」を比較します。
投資信託協会の分類では「海外株式」となっていますが、いずれも米国株式型となります。
騰落率に関して、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は2018年7月、「SBI・V・S&P500インデックスファンド」は2019年9月に設定されており、過去5年のデータはありません。
3商品ともに、過去のどの期間でもほぼ同じような騰落率となり、商品分類平均を大幅に上回っています。
シャープレシオでみると、「楽天・全米株式インデックスファンド」は、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、「SBI・V・S&P500インデックスファンド」を下回っていますが、商品分類平均を上回った。
これまでのデータでは、3商品とも運用効率の高い商品と判断することができます。
新NISAを活用し運用を検討しても良い
今回紹介した投信はインデックスファンドが多く、これらは2024年1月から開始される新NISAのつみたて投資枠で運用が可能となります。
ただ「インベスコ世界厳選株式オープンファンド(毎月決算型)」は毎月決算型のため、新NISA(つみたて投資枠、成長投資枠)の対象とはなりません。
新NISAで同ファンドを運用したい方は、年1回決算型であれば成長枠投資の対象リストに入っておりますので、そちらで運用を検討してみてください。
こうしてみると、資金流入額の多い投資信託は、騰落率やシャープレシオは商品分類平均を大きく上回っており、総じてパフォーマンスが良いと言えます。
今後、投資信託で運用を検討する際、パフォーマンスを参考に商品を選択すると良いと思います。
投資信託協会のホームページでは、商品分類ごとに資金流入額やシャープレシオのランキングを公表しており、参考にしてみて下さい。