BTC、ハイテク株の軟調さが重しに
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年7月29日20時頃、対円では前週(7日前)比2.1%安の1055万円前後で取引されています。BTCドルが6万4400ドル台と年初来では約26.3%安ですが、7月初めからだと約10%高とプラス圏を維持しています。
BTCは先週末24日から25日かけて弱含んだところから、週明け27日には持ち直しました。対円では1048万円前後から1075万円前後まで、対ドルでも6万3600ドル台から2000ドルほど上昇しました。
しかしながら、27日のニューヨーク時間になると一転し軟調となります。BTC円は1027万円台、BTCドルも6万2600ドル台まで売り込まれました。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた持ち高調整という見方もありますが、チャートをみると、ハイテク株の下落と歩調を合わせているようです。

※Trading Viewより
「ビットコインを守る連合」が誕生?!
2026年7月、ブラックロックやコインベース、フィデリティなど、世界的に有名な金融・暗号資産企業9社が協力して「ビットコイン・セキュリティ・コンソーシアム」を設立しました。このグループは、ビットコインのネットワークの安全性を守る開発者や研究者を支援するために、3年間で合計1500万ドルもの資金を出すことを約束しています。
この取り組みで特に注目されているのが、将来登場すると予想される超高性能な「量子コンピューター」への対策です(※)。ビットコインが長期的に「安心して使える資産」になるための研究を、世界の大企業が分担して支える体制が整ったと言えるでしょう。
※量子コンピューターは驚異的な計算速度を持ち、現在ビットコインを守る暗号技術を将来的に破るリスクがあると指摘されています。専門家らはこの脅威に備えた「耐量子暗号」の開発を進めており、本コンソーシアムの資金はその研究開発に投じられます。

※Trading Viewより
米国の「準備金」構想に潜むリスクと懸念
米国議会では、財務省に100万BTCの購入を義務付ける「BITCOIN法案」や、20年間の保有を強制する「ARMA法案」など「戦略的ビットコイン準備金」構想が議論されていますが、その実現性や妥当性には根強い懸念と批判が存在します。
最大の懸念は、価格変動(ボラティリティ)が極めて激しい暗号資産を国家資産として保有することのリスクです。暴落時には巨額の公的資金が失われる恐れがあり、金(ゴールド)のような安定した準備資産と同等に扱うことには慎重な見方が大半を占めています。また、国の債務削減につながるという主張も実効性が疑問視されています。
さらに、管理権限を巡る財務省や他の政府機関による縄張り争いに加え、議会での政治的対立から調整は難航しています。「国家の財産」とするにはリスクが高すぎるとの指摘も根強く、実現へのハードルは極めて高いのが現状です。一方で、こうした議論が続くこと自体、ビットコインが国家レベルで真剣に検討される資産になったことの表れとも言えます。
暗号資産ETF、モルガン・スタンレー参入で激化
モルガン・スタンレーは7月28日、イーサリアムとソラナの現物ETFを上場させ、市場最安値となる0.14%の運用手数料を提示しました。これに対抗し、運用会社の21SharesもソラナETFの手数料を1年間無料にするなど、大手各社による低コスト化競争が激化しています。投資コストの低下は、投資家が暗号資産市場へ参入する際の障壁を大きく下げ、市場全体の流動性を高める要因となっています。
これらのETFには、ステーキング報酬を投資家に還元する仕組みが導入されました。前回お伝えしたイーサリアムETFのステーキング解禁の流れと同様に、モルガン・スタンレーやグレースケールなどのファンドも運用によって得られた報酬を現金で分配し始めています。
これにより、暗号資産ETFは単なる価格変動を追う商品から、株式の配当のように定期的な利回りを生む「収益資産」へと進化しました。利回りが明確になることで、機関投資家も自らの投資判断やポートフォリオへの組み込みをより説明しやすくなっています。
ETFの拡大に伴い、特にソラナ(SOL)は主要な金融プラットフォームへの組み込みが進み、優良資産としての地位を固めています。大手オンライン証券E*TRADEでの直接取引開始に加え、ソラナETFの運用資産額は9億ドルを突破しました。
低コストと利回り提供が両立した今回の動きは、暗号資産市場がより成熟した投資環境へと移行したことを示しています。



