REIT指数は2000p台を回復
2025年11月10日に、東証REIT指数は節目の2000pを上回りました。この日は終値では下回ったものの、11日、12日は終値でも上回っており、12日は一度も2000pを割り込むことがありませんでした。

レンジ推移から上昇基調に
10月22日の「REIT指数が年初来高値を更新」では、1900p~1950pレベルのレンジで推移していた指数が、1960p台に乗せて当時の高値を更新したことを取り上げました。
レンジで推移している期間は下限近辺まで調整すれば買いが入る一方、上限近辺では利益確定売りに押されやすくなります。
しかし、上限近辺で一段高となった場合には、「買いの勢いが強い」との見方が強まり、追随買いは入りやすくなる一方で売りは出づらくなります。
チャートを見ても、1950pを明確に超えてきたことで上値が軽くなってきたことが見て取れます。

大型REITの基調が上向きに
REIT指数がもみ合いを上に放れる中、足元では日本ビルファンド(8951)、ジャパンリアルエステイト(8952)、日本都市ファンド(8953)など、時価総額上位銘柄の動きが良くなっています。



日本都市ファンドは10月以降は上昇基調を強めており、ジャパンリアルエステイトは11月12日に9月の高値を上回り、年初来高値を更新しました。日本ビルファンドも8月につけた今年の高値に接近しています。
指数の動きが良くなって大型銘柄が強く買われるようになってくると、投資商品としてのREITに対する注目度が高まることが期待できます。
2200pまでは真空地帯
2000p台を回復したREIT指数の上値メドは、過去の高値からはまず、2021年7月につけた高値2200.02pが挙げられます。コロナ禍でオフィス需要が急激に落ち込み、2020年3月には1138.04pまで落ち込んだ後、大きく水準を切り上げましたが、2200pに乗せたところで戻りが一巡しました。
これより上は、コロナ前の高値が2019年10月の2262.32pとなります。そのため、2200pに近づいてくると高値警戒感が台頭してくる可能性があります。ただ、2200pまでは抵抗となりそうな水準が少ないとも言えます。2050pや2100pの心理的節目はそれほど高いハードルにはならないかもしれません。
一段と評価を高めることができるかどうかについては、賃料上昇に対する期待が高まるかどうかがカギになるでしょう。物件にもよりますが、個人よりも企業相手の方が賃料増額交渉はしやすいと考えられます。そういった点からは、オフィス系や物流系などのREITで1口当たり分配金の水準を高める動きが多くみられるかが注目されます。



