トランプ大統領のイラン攻撃・・・やはり週末に
2月28日(土)、米国はイスラエルとともにイランに対しミサイル攻撃を実施しました。
前日の27日にはトランプ米大統領が「イランとの交渉は継続中」と発言していたが、その舌の根も乾かぬうちの軍事行動です。
もっとも、市場は一定程度これを織り込んでいた節がありました。
トランプ大統領の発言と実際の政策運営の乖離はこれまでも繰り返されており、「週末に断行」との観測が一部で浮上。
実際、関連報道が表面化する前から原油先物は断続的に急騰し、地政学リスクの高まりを先取りする動きを示していました。
内政では「TACO(Trump Always Chickens Out)」と揶揄される場面もありますが、外交・安全保障では強硬姿勢を辞さない。
市場はその二面性を踏まえ、行動リスクをプレミアムとして織り込みつつあります。
足元では、米国内での支持率低下やエプスタイン事件を巡る疑惑から目を逸らす意図があったとの見方も浮上。
真偽は別として、外交カードを通じて主導権を確保しようとする政治力学が、金融市場に新たなボラティリティをもたらしています。
リスク回避の通貨は?
今回のイラン攻撃を受け、FX市場は典型的な「初動リスクオフ」で反応したが、その内訳は従来とはやや異なる構図となりました。
まず、安全通貨としての地位が確立しているスイスフランは買いで反応。
永世中立国としての歴史的背景と対外ポジションの強さが改めて意識され、ヘッジ需要が流入しました。
一方で、これまで地政学リスク局面で買われやすかった円は限定的な反応にとどまりました。
日本の金融緩和環境や対外収支構造の変化に加え、足元の円売りトレンドの強さが、安全通貨としての機能を相対的に弱めています。
新興国通貨は序盤こそ売りが優勢となりましたが、全面安には発展せず。
金先物が買われるなど資源価格が上昇する中、資源国通貨への波及やドル一極集中の緩和もみられ、「リスク回避=新興国通貨売り」という従来の単線的な構図には至りませんでした。
総じて、今回の反応は「教科書的リスクオフ」ではあるものの、通貨ごとのファンダメンタルズと既存ポジションの偏りが色濃く反映された展開だったと言えるでしょう。

予定は未定、泥沼化するリスクがあれば金融市場は大混乱も
トランプ大統領は今回の軍事作戦について、「イランがどれだけ強力であろうと、4週間、あるいはそれ以下で終わる」との見解を示しています。
だが、この見通しの現実性こそが、今後のFX市場を左右する最大の不確定要因となるでしょう。
歴史的に見ても、大国の指導者による「短期終結」シナリオがその通りに進んだ例は多くありません。
ロシアによるウクライナ侵攻を巡っても、開戦当初は短期決着観測が優勢でした。
米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は、侵攻があれば72時間以内にキーウが陥落する可能性に言及。
さらにドナルド・トランプ大統領自身も就任前には「24時間以内に解決できる」と発言しました。
同政権のウクライナ・ロシア担当特使であるキース・ケロッグ氏も「100日以内」を目標に掲げた経緯があります。
その後、大統領は「就任から6か月以内」と表現を修正しましたが、現実には戦争は4年を超えて継続しています。
戦争ほど「短期終結」という言葉が当てにならないものはないです。
仮にイランとの対立が長期化すれば、エネルギー供給網や中東航路への影響だけでなく、米国本土や関連施設を標的とした非対称的リスクの高まりも想定されます。
人口約9,000万人を擁するイランとの緊張は、局地戦の範囲にとどまらない可能性を内包するでしょう。
日本人も中東の問題を対岸の火事と思ってみていてはいけません。
高市首相は日本の石油備蓄が現状で254日分あることを明らかにしました。
国家備蓄石油が146日分、民間備蓄石油が101日分、産油国共同備蓄が7日分となっているようです。
254日は今年の11月11日になります。
日本は冬に移行する時期になりますが、そのころにホルムズ海峡はどうなっているのか?
石油価格および備蓄はどういう状況になっているのか?
短期終結になっていない場合のFX相場ならびに国内経済の状況を予想せずに、今後はFXもやってはいけなくなりそうです。



