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中東緊迫で原油急騰 株安・ドル高に
米国とイスラエルによる電撃的なイランへの先制攻撃から1週間となりましたが、金融市場では原油価格の急騰と株価の下落。「有事のドル買い」が目立つ展開となりました。市場では「戦闘が続く中東情勢の先行きが見通せず、投資家の警戒が根強い。基軸通貨としてのドルを買う動きが活発になっている」との声が聞かれ、ドル円は6日に一時158.09円と日米レートチェックで急落した1月23日以来の158円台乗せとなりました。

*Trading Viewより
一方、株価は世界的に軟調に展開となりました。特に韓国株は4日、韓国総合株価指数(KOSPI)が大幅に3日続落し、前日比で12%を超す暴落。1日の下落率としては2001年9月の米同時テロの直後を上回り、過去最大となりました。また、同日に日本でも株価が急落。東京株式市場で日経平均は大幅に3日続落し、前日比で2033円安と今年最大の下げ幅を記録。衆院選での自民党大勝後の上昇分を失いました。歴代では5番目の下げ幅。
WTI原油先物価格は92ドル突破 2年半ぶり高値
トランプ米大統領は6日、自身のSNSに「イランとの取引は【無条件降伏】以外にあり得ない」と投稿しました。一方で、「イランは停戦交渉を拒否し、米国による地上侵攻に備える」「イランはホルムズ海峡で米・イスラエル関連の船舶を攻撃すると表明した」との報道も伝わりました。イラン情勢の混乱が長期化するとの懸念が高まると、WTI原油先物価格は一時1バレル=92.61ドルと2023年9月以来約2年半ぶりの高値を記録しました。

*Trading Viewより
また、同日発表の2月米雇用統計は非農業部門雇用者数が9.2万人減と予想の5.5万人増に反して減少し、失業率が4.4%と予想の4.3%より弱い内容となりました。市場では原油高に伴うインフレと景気後退への警戒感がじわり広がっており、「物価高と景気後退が同時並行するスタグフレーションへの警戒が浮上している」といいます。
先週は「高市首相は16日に植田日銀総裁と会談した際、追加利上げに難色を示した」との報道や「日本政府は日銀審議委員に金融緩和と積極財政を志向する『リフレ派』とされる2人(浅田統一郎中央大学名誉教授と佐藤綾野青山学院大学教授)を充てる人事案を国会に提示した」と伝わり、日銀の早期利上げ観測が後退。日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)が史上最高値を更新し、為替市場では円安が進んでいました。ただ、今週は中東情勢の緊迫化を背景とした原油高・ドル高の流れとなっています。
投機筋の円売りポジション、大きな偏りなし
米商品先物取引委員会(CFTC)が6日(日本時間7日早朝)に発表した3月3日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は1万6575枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から2万8114枚減少しました。円ロングが円ショートに転じた格好ですが、大きなポジションの偏りとはなっていません。投機筋がこのまま、円売りポジションを積み上げていくのかどうかに注目です。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
なお、投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。ただ、それ以降はその動きが反転。ほぼフラット(大きなポジションの偏りがない状態)となっています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(157.78円)で雲の上限155.77円、下限155.72円、転換線156.31円、基準線155.18円を全て上回っています。雲がねじれているうえ、非常に薄い状態ですが、テクニカル的に上サイドへの期待が高まります。また、材料的にも「円安」と「ドル高」の両方を備えている状況であり、円安・ドル高のトレンドが続くとみる市場参加者は多いようです。

*Trading Viewより
かつては、「リスク回避の円買い」とのワードが良く聞かれましたが、最近このワードは鳴りを潜めており、ドル円の上値を抑える要因としては「政府・日銀による円買い介入」のみ。一方でドル円の下値を支える要因としては資源の輸入に伴う日本の貿易赤字や、海外のデジタルサービスへの支払いによる「デジタル赤字」など。市場では「為替ヘッジが遅れている国内企業は多い。想定を超えて円高・ドル安が進んだとしても、事業法人による実需の円売り・ドル買いの注文が入りやすい」との声も聞かれています。5500億ドルの対米投融資という潜在的なドル需要も意識されます。
今後もこの状況が続くと想定し、来週以降もドル円の押し目を狙っていきたいと思います。
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