9月の水準を上回り年初来高値を更新
10月22日にREIT指数は年初来高値を更新しました。
10月22日の終値は1966.02pで、9月16日の終値1950.97pを上回り、約1カ月ぶりに高値を更新しています。
日経平均は5万円の大台に接近するなど10月に騰勢を強めましたが、REIT指数は10月にはそれほど強い動きにはなっていませんでした。ただ、14日辺りからは下がりづらくなっており、じわじわと直近高値に接近していました。
日経平均は首相指名選挙を前に先回りで買いが入っていた分、新首相決定後は利益確定の動きも出てきています。REIT指数は前のめりにはならなかった一方、新首相決定後に買いが入っています。
高市氏のスタンスに期待、大阪副首都関連も動意づく
REIT指数の動きが良くなってきた背景には、新首相となった高市早苗氏のスタンスが影響していると考えられます。
高市氏は経済優先で日銀の利上げには消極的なスタンスとみられており、この点が株式市場にもプラスの影響を及ぼすとの見方から日本株には強い買いが入りました。この先、日銀が利上げに対して慎重になるようであれば、利回り商品のJ-REITにもプラスの影響が見込まれます。
なお、公明党が自民党との連立離脱を表明した後、日本維新の会が自民党と連立を組む流れとなったことで、高市氏は首相指名選挙でも勝利しました。
自民党と維新の会の連立に対する期待が高まった10月16日には、株式市場では阪急阪神HD(9042)、京阪神ビルディング(8818)、南海辰村建設(1850)、桜島埠頭(9353)など、関西に強みを持つ企業の銘柄が大きく上昇しました。維新の会が「大阪副首都構想」を掲げていることが支援材料となっています。
こういった動きはREIT市場でも見られており、同じ10月16日に関西圏の物件がポートフォリオに多く入っている阪急阪神リート(8977)が大きく上昇しています。
もみ合い上放れの可能性も
2025年に入ってからのREIT指数は、8月までは非常に強い基調が続いていました。しかし、9月辺りからは上値が重くなっており、足元では1900p~1950pレベルのレンジ相場に移行したような動きとなっています。
そういった状況であっただけに、22日に1960p台まで水準を切り上げたことは特筆されます。しかも、この日は高値引けとなっています。1950pより上では戻り売りに押されても不思議ではなかっただけに、流れが変わってきた可能性があります。
上昇ペースが鈍っても大きくは崩れず、高値圏でもみ合った後に改めて上を試す動きとなれば、上昇トレンド継続に対する見方が強まります。10月29~30日には日銀金融政策決定会合が開催されます。この先、1950pより上が定着し、次の節目の2000pを目指す動きが見られるかが注目されます。