今回解説していく通貨はニュージーランド(NZ)ドル円(nzd/jpy)です。NZドル円は昨年後半にレンジ相場をブレイクして上昇トレンドに回帰しました。短期の調整リスクはあるものの、今後も押し目買い方針が基本線となりそうです。
ファンダメンタルズでは日銀の追加利上げ観測は後退。NZ中銀は金融緩和局面こそ終了した可能性が高いものの、引き締めへの転換にも慎重な姿勢がうかがえます。
今後のNZドル円相場の焦点:金融緩和は終了も引き締め転換はまだ先か
まずはNZの現在の金融政策状況を確認していきます。
NZ準備銀行(RBNZ)は2021年10月に金融引き締めを開始。2023年5月に政策金利を5.50%まで引き上げて、2024年8月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は2.25%です。
●RBNZが金利の据え置きを決めた2月直近会合での声明文では
・インフレ率は目標バンドの中間点近くまで低下すると予想
・経済が予想通りに推移すれば、金融政策は当面緩和的な姿勢を維持する可能性が高い
・政策が長期にわたって緩和的であり続けるリスクも考慮
などの見解が示されましたが、政策金利の見通しは軒並み上方修正。金融緩和局面が終了した可能性が高まっています。
ブレマン新総裁も「年内に利上げを行う可能性がある」との見解を示したものの、一方で「経済がより力強さを増し、インフレ圧力がさらに高まるのを確認するまで利上げは計画していない」「インフレ圧力は消費者物価指数(CPI)が示すほど高くない」とも言及しており、金融引き締めへの転換については慎重な姿勢もうかがえました。今後は利上げへの転換がいつになるのか、当局者の発言やインフレ指標などを確認しながら慎重に見極めていく必要があるでしょう。
NZドル円の週足分析:2020年来の上昇トレンドに回帰
下図のチャートはNZドル円の週足チャートになります。

昨年後半に形成された85-89円のレンジ相場を上方向にブレイクし、今年の2月には一時94.98円まで上昇。2024年11月につけた直近高値(チャート上の黄色実線)を上抜けたこともあり、2020年3月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の青色実線)に回帰した格好となりました。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆しており、基本的にはさらに上値を狙う局面です。今後の目標は2024年7月につけた99.04円(チャート上の丸で囲った部分)。同水準を突破するといよいよ100円の大台も視野に入ってきます。
NZドル円の日足分析:押し目買いが基本線だが短期的な調整も考慮
今度は日足チャートでもNZドル円の流れを確認していきます(下図のチャート)。

こちらは昨年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の青色実線)を形成。基本的には押し目買い方針でよさそうですが、短期の目線だと先月に下げ渋った91.80-90円水準(チャート上の黄色実線)を下抜けるとやや調整が深くなりそうな点には注意が必要です。
「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)ではありますが、トレンドの強さを示すADXが低下基調にあり、現状では今後に前述した上昇トレンドラインに向けた調整が入る可能性も否定できない場面です。
今後の取引材料・変動要因をチェック:政府からの圧力に対する日銀の回答は?
最後に今後1カ月間の経済指標や重要イベント等も確認しておきます。注目材料は日銀の金融政策でしょうか。前週には「高市首相が植田日銀総裁との会見で利上げに難色を示した」との報道が伝わったほか、新規の日銀審議委員にリフレ派が選出されるなど、日銀の追加利上げ期待を後退させる材料が伝わりました。こうした政府側からの圧力に対して日銀がどのような姿勢を示すか注目されます。
NZでは次回のNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が4月8日に予定されていますが、新たな材料も乏しい中で金利は無難に据え置かれるでしょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
・3月18-19日 日本 日銀金融政策決定会合
・3月24日 日本 2月全国消費者物価指数(CPI)



