外為市場かく戦えり

第7回 円安が敵に回る

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


今回は、円安が日本の産業や国民の生活にとって・・・といった大げさなものではなく、対ドルの通貨ペアをトレードした際の損益の話です。

皆様の参考になれば幸いです。



ユーロドルとポンドドルをトレードするも・・・


月初にユーロドルとポンドドルの下落を見込み、それぞれ売りポジションを持ちました。

しかし、結果は思うに任せず、いずれもストップロス注文が成立して損失確定という結果になりました。


●ユーロドル

3月1日に1.0810ドルで売り→6日に1.0890ドルで損切り

●ポンドドル

3月1日に1.2630ドルで売り→5日に1.2710ドルで損切り


※Trading Viewより



円安は敵か!?味方か!?


ここまでは通常の新規→決済のいつもの流れです。

対円以外の通貨ペアを取引した際、通常のFX取引においては、その場で円換算して損益が確定となるかと思います。

※本コーナーでは、決済した日のNYCのレートで円換算します。


さて、実際に円換算すると、ちょうどその時のドル円はだいたい150円前後でした。

いずれも0.01ドル未満の損失での取引であったとはいえ、2万通貨だったこともあり、ユーロドル、ポンドドルそれぞれ2.4万円ほどのマイナスとなりました。

仮に1ドル=100円で計算し直すと、それぞれ1.6万円ほどのマイナスになります。


このときばかりは「円安は敵だ!」と思わずにいられませんでした。

とはいえ、利益確定となれば円安の恩恵を受けることになりますので、こればかりは仕方ありません。



直感には従え!?


今回、ユーロドルとポンドドル、どちらも利益確定する間もなく損切りとなってしまいました。


ユーロドルの時は何も感じなかったのですが、ポンドドルの売りポジションを持った時、売った後もじわじわと上がり続けたのを見て、「もしかしたら、このまま上がり続けてストップ注文が成立しまうかも」と思いました。

残念ながらその予感は的中し、その後は真綿で首を絞められるかのような苦しみの中、損切り水準に達しました


私の経験則で恐縮ですが、えてして思い通りにいかないときは、「そうなってほしくない」方向に物事が傾きがちです。

今回はそんな気配を感じた段階で、ポジションを縮小する、もしくは思い切ってストップロス水準より手前で損失確定させる、などの対策を講じたほうがよかったのかもしれません。


トレードをしてゆくと、そういった出来事に遭遇するときもあります。

直観を無視せず、無理をしないことも時には重要です。

この連載の一覧
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
第7回 円安が敵に回る
第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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