外為市場かく戦えり

第11回 豪ドル円、天井は近い?

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


よく、相場の世界では「底で買って天井で売るのが良い」とされています。

仮に天井や底の目処がわかったとしても、実際にそう上手くできるのでしょうか。


今回はそんなチャートを眺めながら、考えたことを書いてゆきたいと思います。



豪ドル円、買い場を探す


9日、以下内容で書きました。

豪ドル円、2014年12月以来の高値を付けるなど上昇基調のため、押し目を拾いたい。21日線98.85円や90日線97.48円で買い、200日線96.27円で損切り。利確候補は2014年11月高値102.85円。仮に上昇したとしても105円や108円は強い抵抗が予想される。


豪ドル円、日足チャートを見ると見事に右肩上がりの上昇トレンドとなっているほか、ちょうどその時の立ち位置は9年半ぶりともいえる高値圏にあったため、できれば押し目があったら買いたい、と考えました。


※Trading Viewより



豪ドル円を月足チャートから見ると


豪ドル円の月足チャートを見ると、1990年代半ばからは50円台が底、100円台が天井といった動きが続いています

直近30年ほどの動きから判断すると、現在の立ち位置からは天井が近そう、と見ることができます

もっとも、現在は豪ドル円の売りスワップは決して安くはないため、今から50円に向かっての下押しを狙って売りポジションを持つのは得策ではありません。


売るのであれば、月足チャート上に売りシグナルが出現する、世界的に株安でリスク回避局面が来るなど、それなりの材料が欲しいところではあります。


個人的には、月足チャート上にカブセや毛抜き天井といった天井を示唆する足形が出現しないか、RSIでは「9(カ月)が42(カ月)を下抜ける」とならないか、といったところに注目しています。


※Trading Viewより




リスクとリターンの関係


これは、利益確定や損切の目処をどこにするかにもかかわってくる問題ですが、その比率はどうしてますか?


私が複数の先輩方からいわれたのは、「利益>損失」になっているか、ということです。


チャートポイントを手掛かりにしてゆくと、つい、このバランスが崩れてしまう時があります。

たとえば、利益確定は買値から1円上だが、損切りは2円下、といったケースです。

そう言ったときは、リスクとリターンが見合ってない時といえます。


その場合の対策として、利益確定と損切りの目処を見直すエントリーポイントを考え直すもしくはそこでのエントリーを見合わせる、などがあるかと思います。


あと、リスクとリターンの好ましい比率ですが、こればかりはその人によるかと思います。

あまり参考にはなりませんが、個人的には、過去の経験から調子が良いときは「1:3~4」くらいになっていることが多いです。


個人的には、比率も大事ですが、最終的には週次や月次で収益がプラスになっている(=儲けが出ている)ことが最も大切と考えます。

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

川畑 琢也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております