外為市場かく戦えり

第61回 【ボラティリティ】あればいいというわけではない

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はドル円についてです。

タイトルにある「ボラティリティ」ですが、一般的には「価格変動の度合い」などと解されます。


トレードするにあたっては、相場に動きがないと商売上がったりです。

かといってありすぎても「手が出ない」「すぐにストップが成立してしまう」という弊害もあります。

過ぎたるは及ばざるが如し、でしょうか。


皆様の参考になれば幸いです。



高まるボラティリティ


早速ですが、ドル円の3月と4月(15日まで)の、一日の平均値幅を振り返ってみました。


3月:1.39円

4月(~16日):2.53円


うち、2円以上の値幅となったのは、3月はわずか2日でしたが、4月は前半だけでも8日となっています。

一日の平均値幅、そして2円以上動いた日数のいずれをとっても、現時点での4月相場は3月よりもボラティリティが高いといえます。



「高けりゃいい」ってものでもない


トレードする人、特にデイトレードやスキャルピングといった短期で売買する人にとって、値幅は売買収益の源なのである程度は必要です。

しかし、あまりにも毎日大きく動いていると、時としてエントリーや損切のタイミングがつかめないこともあります。


こちらは14日の記事です。

ドル円、売るなら前週末高値144.64円をバックに、早朝に付けた144.31円など144円台前半を目処に。一方向な動きが続いているので、利確・損切りは50銭幅のトレイリングストップも一案か。モニターに張り付いていれないのなら、荒れた相場は入れたらラッキーくらいの気持ちでいいかも。


記事を出した後の戻りは144.08円付近に留まり、あと一歩のところで売は成立しませんでした。


144.00円や144.30円といった具合に売り場を分散できればよかったのですが、これだけ値動きが大きいと、いつもと同じ感覚でストップを出したらすぐに成立してしまう恐れもあっため、どうにも腰の引けたトレードなってしまいました。


取れるリスクから逆算して考えると、今回のように「出来れば引き付けて」となるのは、ある意味仕方のないことです。

こういう時はリズムを崩さないようにしつつ、入れる場所があったら入るくらいのゆとりを持ってトレードするのが良いのではないかと思います。



※Trading Viewより



現在保有ポジション(執筆時点)


なし



この連載の一覧
第61回 【ボラティリティ】あればいいというわけではない
第60回 【番外編】合戦場の使い回しはあるか、ドル円の下値めどを確認
第59回 【ドル円】「チャート<材料」の時もある
第58回 【NZドル円】得意パターンに乗ってみる
第57回 【トルコリラ円】別れは突然に。どうなった損益は!?
第56回 【ドル円】待つも相場
第55回 【トルコリラ円】長期投資目的ではあるが・・・
第54回 【ドル円】楽に儲けたい!?
第53回 【ドル円】波に乗れないときもある
第52回 【ドル円】待つも相場
第51回 【ユーロドル】欧米の利下げペース格差に注目して売ってみた
第50回 【ドル円】逃げるのは恥じゃない
第49回 【割り切り】タイミングの悪い時もある
第48回 【まさか】ドル円、新年早々に出会った意外な展開
第47回 【発表】2024年後半の損益、そして年間損益は!?
第46回 【ドル円】クリスマス終わったので動き出すか
第45回 【ドル円】利益は出たが、惜しい結果に
第44回 【ドル円】運も実力のうち!?そのためには準備を
第43回 【ユーロ円】取引は余裕をもって
第42回 【ポンドドル】感じろ、違和感
第41回 【不調の時】いつもの「あれ」を忘れる
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
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第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
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第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
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第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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