外為市場かく戦えり

第57回 【トルコリラ円】別れは突然に。どうなった損益は!?

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はトルコリラ円です。

前先週に書いたばかりですが、こんなにも早く順番が回ってくるとは予想外でした。

結果はどうなったでしょうか。


皆様の参考になれば幸いです。



あっけない幕切れ・・・思わぬ出来事でストップ成立


トルコリラ円ですが、以前、4.38円の買いポジションのストップを3.90円にして、あわよくば長期投資でスワップを・・・という狙いでした。


その時の記事はこちら

第55回 【トルコリラ円】長期投資目的ではあるが・・・


しかしながら、その狙いは意外な形で、もろくも崩れ去ります。



トルコリラ、暴落


19日、トルコリラは突如暴落し、保有ポジションはストップロス成立でクローズとなりました。


そのニュースは、「トルコ最大の都市イスタンブールのイマモール市長が汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束」というものでした。

同市長はトルコのエルドアン大統領の政敵であり、大統領が自分の不利となる人物を強引に排除したことが嫌気されて、トルコ資産売りが一気に広まりました

トルコの長期債は急落(利回りは急騰)し、イスタンブール株式市場は2度もサーキットブレーカーが発動。

トルコリラは対円で3.61円と過去最安値を記録、対ドルでも前日比で約12%までリラ安が加速しました。


その後、一部報道によると、トルコ中銀が公的金融機関を通じて過去最大規模の外貨売りリラ買い介入を実施したことで、リラ売りは落ちつきました。


とはいえ、トルコの政局リスクが急浮上したことで、当面の間はトルコに投資しづらくなったのも事実です。

個人的には、格付け会社がトルコを投資適格に引き上げる、もしくは投資適格が見えてくるまでは、トルコリラは様子見メインで考えたいと思います。


※Trading Viewより



収支は・・・プラス


さて、収支についてはレート損益はマイナスでしたが、それ以上にプラスのスワップがたまっていたため、差し引きプラスになりました。


レート損益

(買値4.38円-売値3.90円)×2万通貨=-9,600円


スワップ収益

合計で18,056円

2024年分(36円/日×日数×2万通貨):10,584円

2025年分(1月は36円/日、2月以降は32円/日、いずれも日数×2万通貨):7,472円


差し引き、8.456円のプラス


今回は相場下落以上にスワップのプラスの積み重ねが大きかったのでプラスになりましたが、相場下落がより急であった場合はマイナスとなることも考えられます。


スワップ狙いは市場が落ち着いていることが条件となりますが、足元はトランプ関税への不透明感もあり、トルコリラに限らず金利差狙いはしばらくお預けかもしれません



現在保有ポジション(執筆時点)


なし


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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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