「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
さて、今回もドル円です。
ローソク足で「気迷い線」があります。
この足形は「様子見」や「攻防の分岐点」など、解釈が分かれる足形でもあります。
もっとも、気迷うのは足形だけではありません。
人間も同じです。
今回はそのあたりに触れてゆきたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
当初は買い下がりで考えてみた
今月6日、日足チャート上に大陽線が出現して10月下旬に上値抵抗となっていた154円をあっさり上抜きました。
これにより、相場に上向きの流れが出た可能性を考えました。
仮にトランプ氏が米大統領選で勝利し、公約に掲げていた減税や大規模な財政出動などが実現された場合は、物価上昇圧力につながる可能性があります。
そうなると、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ休止、もしくは利上げ再開もあり得るだけに、ドル買い材料となる可能性がありました。
7日にこう書きました。
ドル円での大陽線出現を見て、買い目線で検討。155円方向への上伸を期待して、日足・一目均衡表の転換線153.00円や200日線151.67円で買い下がり。損切り候補は昨日安値のやや下151.00円。ただし、風向きが変わったら損切り水準到達前にカットも。
いざポジションを持ってみると・・・
さて、先ほどの記事を出したその日に、153.00円の買いは成立しました。
そこで気の迷いですが、長大陽線で上昇エネルギーを使い切ってしまい、下押しが深くなるかもしれない、という不安が頭をよぎりました。
個人的には、200日線で止まるかどうかも少し怪しく思えたので、コストの高い方を優先してカットして、下げに備えようと考えました。
また、今月は月次の収支がマイナスであったこともあり、実際に損失が出た時を想定すると「なかなか重い」と感じました。
8日にこう書きました。
ドル円は一目転換線153.00円の買い指値が成立。昨日から本日にかけて152円台半ばで下支えされているが、割ると下押しが深くなりそうな気配を感じるので、152.40円でカットに変更。なお、200日線151.68円買い&151.00円損切りの指値はそのまま出しておく。
結果としては・・・蛇足
見出しにもありますが、結果としてこの動きは蛇足でした。
結局、152.40円に損切りした後の下押しは152円台前半に留まり、その後は上昇を続けて14日に156円台に乗せています。
※Trading Viewより
ポジションサイズに対する恐怖をどうするか
さて、今回の反省点として、ポジションサイズの大きさがあるかと思います。
普段は2万通貨、買い下がりや売り上がりの時は1万通貨に分散することが多かったのですが、今回は2万通貨ずつと普段より多めの数量でした。
先ほども触れましたが、もしストップが成立した時の損失を想像したときに、身震いがしてしまいました。
「事前に想定しておけ」と言われればそれまでですが、ポジションを持った後で改めて振り返ったときは、ロット数の大きさが負担に感じました。
この辺りは実体に体感しないとわからない部分でもあります。
また、今月は大して貯金がないことも、心理面でマイナスに作用しました。
対策としては、慣れるしかない部分でもありますが、少しづつ数量を増やすしかないと思います。
たとえば、1万通貨ずつ分散するにしても、
以前:154円と152円で買い下がり
改善後:154円と153円、152円で買い下がり
といった形で、トータルの数量を増やして慣れるようにするのも一案かと思います。
このように、今回は人間が気迷うパターンをお伝えしました。
そういう時は、個人投資家は特に、無理をしないのが一番と思います。
現在保有ポジション(執筆時点)
ドル円 155.60円買い
以下は長期保有目的
トルコリラ円 4.38円買い