外為市場かく戦えり

第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


今回は、直近のドル円のトレードについて振り返ります。

皆様の参考になれば幸いです。


ドル円、思いがけない下げで買いポジションを持つ


前回、文末でこのように書きました。(その時の記事はこちら

個人的には、時間足上では前述の160.15円レベルが攻防の分岐点と化しているように見えましたので、当初、160円割れをバックにして160円台で買い下がりたい・・・とぼんやり考えてました。

しかし、売買の水準や損切の目処をを詰める前に、10日の6月米消費者物価指数(CPI)後に急落したのを見て、158.20円で少量の買いを持つことにしました。ストップは157.30円。


米経済指標後の下げに加え、本邦金融当局と見られる円買い介入観測もあり、ドル円は160円台での買い場を考える前に大きく下落。

当初は160円台前半で買えたら・・とぼんやり考えていたのですが、米指標発表後に振り向くと一時157円台に下落後に158円台に切り返していました。

今回は下げ一服を見込み、ストップ水準をその日の安値水準のやや下157.30円にして158.20円で少量買いました。



スケベロングとは


さて、タイトルにある「スケベ」について触れたいと思います。

いわゆる相場用語であり、希望的観測のもとに行われる根拠の薄いトレード、などとされています

ちなみに、今回は買いから入ったので「スケベロング」ですが、売りから入った場合は「スケベショート」となります。


いくら週足一目均衡表の転換線付近で切り返したとはいえ、リバウンド狙いの面もあるだけに、スケベロングの面は否めなせん

そうなると、短期で割り切って利益を狙いに行くのも手だったかもしれません



スケベを自覚して割り切れれば・・・


今回は特に、買値から1円超上昇する場面がありましたので、無理せず1円幅の値幅を取るべきだったかもしれません

それができなかったのは、急落直後でまさに「落ちているナイフを掴みに行く」ような状況下でしたので、リスクを抑えるためにロットを減らしてエントリーしたからです。


通常よく使う「一部ポジションだけでも利益確定」という手も使えたのですが、今回はロット数を減らしたばかりに使えませんでした

仕方ありません。


※Trading Viewより


さすがに「1円幅で含み益が出ているので割り切って利益確定」できるほどの決断力はありませんでした。

ので、せめて、ストップ水準を買値より上にして足が出ないようにしました。


微益ですがプラスで終わりましたので、今回はこれで良しとして次に行きたいと思います。


現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

ランド円 7.78円買い少量

トルコリラ円 4.87円買い


この連載の一覧
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第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
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第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
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第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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