外為市場かく戦えり

第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


個人的な相場観で恐縮ですが、今年のドル円は上方向と予想していました。

第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し

 

基本的に、一部を除きほとんどの市場参加者は「儲けたい」と思い取引をしているかと思います。

とはいえ、前回でもお伝えましたが、「儲けたい」という欲求をどう抑えるかは、東西を問わず投資家共通の悩みとも言えます。


そうした中、相場見通しを儲けにつなげようと悪戦苦闘した記録がこちらです。

前置きが長くなりましたが、皆様の参考になれば幸いです。



ドル円、買い増ししたいが・・・


早速ですが、現時点ではドル円は158.15円買いで少量のポジションを持っています。

もし170円台に向けて上昇するようならば、その流れについていきたいというのは誰もが思うところでしょう。


個人的には、できれば少量買い増ししていきたいと思っています。

ただ、高値警戒感もさることながら、近くに目処らしいポイントも少なく、どうしようか・・・というところでもあります。

そこで今回はストキャスティクスに注目しました。


なお、当初の利確候補(4月29日高値160.17円)について、さらなる上昇が期待できそうでしたので利益確定は見送り、ストップだけ付けて足が出ないようにしています。



ストキャスティクスとRSIの違い


本題に入る前に、ストキャスティクスとは一般的にオシレーター系指標に分類され、「一定期間の最高値と最安値の中で、直近終値が最安値からどれだけ上にあるか」を測ります。

オシレータ系としてはRSIも有名ですが、こちらは「一定期間の日々の前日比騰落値幅のうち、上昇値幅の合計はどれだけあったか」に注目します。



ストキャスティクスは2種類ある?


さて、話をストキャスティクスに戻します。

計算方法ですが、最初に%K、次に%D、その%Dを緩やかにしたスロー%Dの順で計算してゆきます。


チャートソフトによっては3つを一度に表示しているものもありますが、

一般的に、

%Kと%Dを用いたものをファーストストキャスティクス

%Dとスロー%Dを用いたものをスローストキャスティクス

とされています。



ファーストストキャスティクスで見るドル円相場


今回は「ファーストストキャスティクス」に注目してみました。

%Kはだましが多いとされていますが、見方を変えると反応が早いとも言えます。


※Trading Viewより

ストキャスティクスは上段がファースト、下段がスロー


直近のドル円日足チャートでは、数字の1-5の箇所では、スローよりもファーストのほうが一歩先にゴールデンクロスしています。

ただ、アルファベットのAの箇所のように、スローとファーストが同時にゴールデンクロスしている箇所もありますので、必ずしもファーストのほうが早いとはいいきれません。


それでも、ファーストのほうがスローに先んじて動く回数が多かった点を考えると、ファーストのゴールデンクロスには注目してもよいかと思います。


そのほか、オシレーター系の特徴として「一定期間内の売られすぎや買われすぎを探る」という点には注意が必要です。

したがって、トレンドが発生している時はその方向に沿ったシグナルだけを採用するのも手です。

今回は上昇トレンドの中にありますので、ストキャスティクスのゴールデンクロスでは新規ポジションを立てるが、デッドクロスでは新規ポジションは立てない(やったとしても決済に留める)ことになるでしょうか。



現在保有ポジション(執筆時点)


ドル円 158.15円買い少量


以下は長期保有目的

ランド円 7.78円買い少量

トルコリラ円 4.87円買い


この連載の一覧
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
第7回 円安が敵に回る
第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

川畑 琢也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております