「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
さて、今回はトルコリラ円です。
以前、8月に4.38円で買い成立後に、4.20円台でも追加買いを検討していましたが、その後いったん追加買い指値をキャンセルしました。
その後も4.20円台は何度かありましたが、結局買えませんでした。
買えなかった理由について振り返りたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
ファンダメンタルズ面でのポイント
以前、トルコのエルドアン大統領は「金利の敵」を自任し、高インフレ下で低金利政策を推し進めていました。
しかし、ここしばらくはインフレ抑制のために金利を上昇させることについて、表立った批判や中銀総裁の更迭などは行っていません。
これが、トルコリラを買おうと思った理由の一つです。
また、インフレ率も夏以降は伸び鈍化傾向となっており、9月は実質金利がわずかとはいえ3年強ぶりにプラスに転じています。
今後もインフレ率が低下して利下げの余地が生まれる場合、インフレが抑制されている証明になりますので、トルコリラにはプラスに働くと見られます。
この中で特に気を付けたいのが、エルドアン大統領の発言です。
万一、再び「金利の敵」となるようなことがあれば、これまでの前提が崩れます。
その際はポジションは即座にカットする予定です。
エルドアン大統領の過去の行いを振り返ると、そう簡単に信じれないというのはあります。
そのため、過去最安値圏だからと言って積極的には買いづらいところがあります。
買うにしても、株価が1桁や2桁といった「超低位株(ボロ株)投資」のような、「単価が安いので上がればラッキー」という割り切った投資手法にならざるを得ないところです。
気になるドル/トルコリラ相場の行方
当たり前の話ですが、トルコリラ円は、ドル円とドル/トルコリラの相関で値段が決まります。
したがって、トルコリラの強さを見るうえで、ドル/トルコリラの動きを見ることは重要です。
ドル/トルコリラを見ると、直近では陰線3本で三羽烏(一番右端の陰線はまだ確定ではないため)出現ではありますが、史上最高値圏である34リラ台で高止まりと、ドル高・リラ安の状況です。
なかなか33リラ台に下落してこないことも、トルコリラを積極的に買いづらい理由の一つです。
そうなると、現在のトルコリラ円の上昇はドル円の上昇(円安)によるところが大きいと見ることができます。
対ドル相場での重しとなっている背景として、中東情勢の行方が挙げられます。
エルドアン大統領は親パレスチナ・親ハマスの姿勢をとっていることもあり、積極的には投資しづらいムードが続いています。
※Trading Viewより
トルコリラ円をテクニカル面から見たら
日足は一目均衡表の転換線や基準線を上抜き、雲の中に入るなど、4円割れをうかがう動きは後退している様子です。
ただ、現状は厚い雲の中にあり、上抜けて三役好転を点灯させるには距離を感じます。
雲の下限付近への下押しがあったら買い意欲が出るかもしれません。
※Trading Viewより
とはいえ、8月7日に4.38円で買いポジションを持っていることもあり、現在レート付近では追加でポジションを持とうという意欲がわきません。
「対ドルでのリラ上昇」や「インフレ低下で利下げ余地が生まれる」などがないと、なかなか買いづらいかもしれません。
当面は買い増しせずに相場を見守る予定です。
現在保有ポジション(執筆時点)
以下は長期保有目的
トルコリラ円 4.38円買い