外為市場かく戦えり

第43回 【ユーロ円】取引は余裕をもって

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はユーロ円です。

内容は、エントリー(新規)よりもエグジット(決済)にフォーカスしています。


皆様の参考になれば幸いです。



合わせ技でユーロ円の下落を予想


2日にこう書きました。

もし市場のテーマが欧州の政局・景気不安と、日銀の早期利上げ観測の合わせ技となると、ユーロ円に効きそう。現在レート158.45円で売り。損切りは158.70円と159.00円に分散。ついでにユーロドルも現在レート1.0524ドルで売り。損切りは1.0610ドル。


ちょうど、先月末の29日にドル円は149円台に下落する過程で損切りを迫られたということもあり、売買するならドル円以外と考えていました。


そうした中、フランスの政局がにわかにクローズアップされました。

日銀の早期利上げ観測がくすぶっていることもあり、ユーロ売りと円買いの材料がそろうとなると、ユーロ円を売ろうかと考えました



利確は損切りより難しい!?


2日にユーロ円を158.45円で売ると、その後はストップの水準まで上昇することなく軟調に推移。

この日のNY市場で一時156円台に下押しましたが、滞在時間が短かったうえ、私自身が就寝中で気づかなかったこともあり、この水準で決済はできませんでした。


翌3日、再び156円台に下押す場面では、ちょうど私が起きていたこともあり、下げを目の当たりにしました。


問題はここからです。


昨日に続いて156円台で下げ渋っているが、どうする?

決済するか?それとも当初予定していた155円台まで待つか?


相場が156円台での推移を続けていたこともあり、かれこれ30分以上考えてしまいました。

NY市場序盤とはいえ、30分以上睡眠時間を削られてしまいました。


睡眠が趣味に近い私にとって、睡眠時間が削られるのは地味に痛いところです。

(休みの日は、だいたい12時間以上寝ています)


結局悩んだ末、今回は分割できる数量で売りポジションを持っていたこともあり、その時のレート156.65円で一部を決済することにしました。

「もっと早く気づけ」という話ではありますが、欲望が絡むと決断が鈍る結果となりました。



選択肢は多い方がよい時もある


普段、優柔不断な私は、なるべく選択肢が広がらないようにしています。

今回は「売る」「様子見」以外にも、「一部を売る」という選択肢に救われました。

一部でも利益を確定できたことで、気持ち的にも大分楽になりました。

最低取引数量で取引しているとこのようなことはできませんが、それよりも多めで取引していると、このようなこともできます


よく「取引は余裕もをって」といいますが、資金的な余裕だけではなく、気持ちの余裕もその文言の中に含まれるのかもしれません。


※Trading Viewより



現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


この連載の一覧
第44回 【ドル円】運も実力のうち!?そのためには準備を
第43回 【ユーロ円】取引は余裕をもって
第42回 【ポンドドル】感じろ、違和感
第41回 【不調の時】いつもの「あれ」を忘れる
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
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第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
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第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
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第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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