外為市場かく戦えり

第44回 【ドル円】運も実力のうち!?そのためには準備を

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はドル円です。

事前に入口と出口を決めていたこともあり、自分でも驚くほどきれいにエントリーして利益確定に至りました。

 

皆様の参考になれば幸いです。



ビッグイベント前だが


早速ですが、10日にこう書きました。

ドル円、雲の上限付近で底堅いので現在レート151.70円で少量買い。151.25円でも少量買い下がり。ただし、明日の米CPI前ということで無理しない。基準線152.70円で利確。損切りは本日安値のやや下150.80円。


翌11日には11月米消費者物価指数(CPI)というビッグイベントを控える中ですが、日足・一目均衡表の雲の上限付近で下げが一服となったのを見て、チャートでは上方向に広がりそうに見えました。

イベント前の肩慣らしのつもりで、軽くエントリーしてみることにしました。


それ以外にも、200日移動平均線に向けて上昇してきており、上抜けばグランビルの法則の買いサインにもなりますので、多少なりとも上値余地が広がるのではとの見方も、ドル買いを後押ししました。



予想外の日銀観測報道


12日に入り、東京市場は上値が重い展開となりましたが、見どころは欧州市場にありました。

一部通信社から発表された日銀観測報道です。


初動は円買いでの反応でした。

関係者の話として「一部政策委員は12月会合で利上げ提案あれば反対しない見通し」などと伝わると、日銀の早期利上げ期待から円買いが優勢となり、ドル円は151.02円まで下落。

この流れで151.25円の買い指値が成立しました。


しかし、その後すぐに円売りの反応となり、急速に円安が進行。

先ほどの話で「日銀は今月利上げ見送りでも物価加速リスクは大きくないと認識」「円安の物価押し上げリスクは相対的に薄れていると判断」との見方も報じられたことで、次回会合での金利据え置き観測が強まると、今度は円売りが強まる展開に。

ドル円は152円に乗せると、そのまま売り決済の指値を出していた152.70円にタッチ。見事に利益確定となりました。


※Trading Viewより



運を味方につけるために準備する


今回は日銀の観測報道という予測不能な材料で上下という、運に助けられた面は大きいです。

しかしながら、事前に予想して動くことができたことが、運を引き寄せたのではないかと思います



現在保有ポジション(執筆時点)


ドル円 152.22円と151.85円買い(いずれも少量)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


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第41回 【不調の時】いつもの「あれ」を忘れる
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
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第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
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第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
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第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
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第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
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第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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