「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
さて、今回はトルコリラ円です。
昨年4.38円で買ったポジションについて、どうしようかという内容です。
スワップ狙いの長期でよいのか、ドル円、ドル/トルコリラ共に向かい風が吹く中、今一度考えたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
たまったスワップを確認
昨年8月に4.38円でトルコリラを買いましたが、その後は上伸しても5円に届かず。
足元では過去最安値を更新しつつ節目4円割れをうかがう状況です。
ここでポイントとなるのは、スワップがどの程度たまったかです。
2024年(36円/日で計算)
36円×147日×2万通貨=10584円
2025年(2月末まで。36円/日で計算)
36円×59日×2万通貨=4248円
スワップを合計すると、10584円+4248円=14832円。
1万通貨になおすと7416円となり、値幅で考えるとざっと70銭分のプラスです。
そのため、買値4.38円から70銭以内の損切りであれば、損益は差し引きプラスになります。
トルコリラ、反転の兆しが見えない
トルコのインフレが落ち着きを見せたことで、トルコ中銀は昨年末から利下げを行ってはいますが、トルコリラ相場はなかなか反転しません。
特に対ドルでその傾向は顕著となっています。
ドル円も足もとでは下値模索の動きが続く中、対ドルでリラ最安値更新が続く状況では、どうしてもリラ円の上昇は期待しづらくなってしまいます。
※Trading Viewより
ストップは3.90円で変わらずだが
先ほどのスワップでのプラスと、足元での為替損失(40銭弱)を考慮すると、現時点でも差し引き30銭ほどプラスになっている計算です。
ただし、4円の大台を切ってくるようですと話は別です。
目標値のない世界で下値模索となってくるため、どこまで下押すかはその時の相場状況やドル/トルコリラ相場次第の面も出てくるなど、不透明です。
引き続き3.90円を撤退ラインにして様子を見たいと思います。
個人的には、リラ円が反発に向かうためには、足元で不確定要素となっているトランプ関税などが落ち着きを見せるとか、トルコの格付けが上がり投資適格級に戻るなど、それなりのインパクトがあるイベントがないと難しいと感じています。
特に、投資適格級に戻ることがあれば機関投資家のマネーが入りやすくことも考えられます。
その時はポジションの追加など検討してもよいかもしれません。
以下、現時点でのトルコの格付けです。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P): BBマイナス(投資適格はBBBマイナスから)
フィッチ・レーティングス:BBマイナス(同、BBBマイナスから)
ムーディーズ:B1(同、Baa3から)
いずれも投資適格まで、まだ数段階あるのが現状です。
この辺りが改善するには、相応の時間がかかるかもしれません。
現在保有ポジション(執筆時点)
以下は長期保有目的
トルコリラ円 4.38円買い(ストップは3.90円)