外為市場かく戦えり

第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、人生は「選択の連続」ともいわれます

就職や結婚、起業といった大きなものから、晩御飯のメニューといったレベルのものまで、我々は日々いろいろな選択をして生きています


私自身、選ぶという動作が苦手です

晩御飯を例にすると、うっかりファミレスのようななんでもあるお店に入ってしまったら最後、メニューに目移りして選択に時間がかかってしまいます。

あれも美味しそう、これもいいな、でも全部は食べれない・・・という具合に考えがループしてなかなか決めれません


もしここで、晩御飯を選ぶ基準があれば、選択に要する時間は縮小できます

例えば、「昼に食べたラーメンが重かったので、夜は軽めがいい」とした場合、とんかつや焼肉といった重めのメニューは悩むことなく選択肢から排除できます。


相場の世界も同じく、「いつ新規でポジションを持ち、どこで決済して終わらせるか」を予め押さえておくことは重要です

迷いがあると、利益確定の動きが鈍ったり、損切りが遅れたりすることにつながります。


今回は、売買をするうえで多数ある選択肢をどう絞ったか、考えてゆきたいと思います。

皆様の参考になれば幸いです。



ポンドドルとNZドル/ドルで売りポジションを持つ


先月22日、前日21日の英中銀(BOE)理事会でポンド買いの流れが変わったのを見て、ポンドドルを売りました。

また、27日にはNZドル/ドルで、チャート上に三役逆転が出現したほか、NZ政府がインフレやGDP見通しを引き下げたのを見て、売りました。


その時の利益確定と損切りの候補は以下です。

ポンドドル:1.2630ドルで売り。利確候補は週足一目均衡表の基準線1.2466ドル、損切り目処は22日高値水準の1.2670ドル台超え

NZドル/ドル:0.5990ドルで売り。利確候補は昨年10月安値の0.57ドル台後半、損切りの目処は日足一目均衡表の基準線0.6102ドル


※Trading Viewより


待っていいとき、悪いとき


その後、相場は小動きが継続となり、利食い・損切りどちらの水準にも達しない展開が続きました。


ここで考えておきたいことは、今の流れは「待ち」でいいのか、それとも「早めに損切り」すべきか、でしょうか。


まずは、ポイントを整理してみましょう。

① スワップ:いずれもドルを買うポジションのため、スワップ的にはプラスかトントン程度となり、それほど負担にはならない

② チャート:足元の相場はまさに小動き、方向感喪失ともいえる状態なので、動きが出るのを待つ状態

③ ビッグイベント:5日に米3月雇用統計があるも、英・NZ共に金融政策に直結しそうなイベントは見当たらない

・・・との理由から、今回は損切りラインは動かさずに様子見にすることにしました。


反対に、スワップがマイナスで毎日マイナスが増える、チャートもじり高気味、ビッグイベントが近いとなれば、そのままポジションを持つことにリスクを感じます。

その時は無理せず、ポジションを減らすなり、思い切って全部損切るのも選択肢に入れる必要があるかもしれません。



途中経過(4/4の昼時点)


ポンドドル、NZドル/ドル共に小動きとなる中、3日のNY市場でドル売りが強まると、それぞれ上昇しましたが当初のカットラインまでには達せず。

含み益があまり出なかったこともあり、普段よく使う「ストップ水準を訂正して損失が出ないようにする」という手は、今回は使いませんでした。


ちょうど下落トレンドが出た直後と見ていたこともあり、微益で撤退となったらもったいなく感じてしまい、欲が出てしまったというのもあります。

反省です。


ちなみに、4日の昼頃にストップ水準は以下見直しております。

ポンドドル:1.2775ドル(90日線)

NZドル/ドル:0.6079ドル(日足一目均衡表の基準線)


為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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