「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
ドル円は今年に入っても堅調な推移が続いており、24日には1990年6月以来となる155円台に上昇しています。
今回は、円安の進行に伴い、以前出していた年間見通しの上限を変更したいと思います。
「上値や下値の目処を変更したときが天井や底」との陰口も聞こえてきそうですが、さてどうなるでしょうか。
皆様の参考になれば幸いです。
160円超えが視野に
2月にドル円の年間見通しを出した(※)際、上限は160円としました。
しかし、ここにきて、その前提となる三角上限のアペックスを期限ぎりぎりですが上抜けたほか、その後下押す場面では三角保合上限が下値支持として機能しました。
テクニカル面からは、年内に従来予想の160円を超えて上値を伸ばす可能性が出てきたと考えています。
もし、後述の三角保合上限を目指すとするならば、目標値は176円となります。
(※)その時の記事はこちら
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
上値目処の再確認
まず、現在の流れについて、「逆プラザ合意」との見方は変わりありません。
つまり、1980年代から2011年までの下落に対する戻りを試している、という考え方です。
ドル円は2022年10月に151.95円まで上昇しましたが、152円を前に失速。その後は同水準が上値抵抗となる一方、下値は23年1月に付けた127.23円を起点として徐々に切りあがっており、チャート上に強気型の三角保合とされる「アセンディング・トライアングル」を形成していました。
そうした中、この三角保合を上抜けたことで、上昇トレンドが再開した公算が大きいと見ます。
従来は来年の到達を予想していた170円についても、年内に目指す可能性が出てきました。
なお、教科書的には、三角保合を上抜いた場合は、高さ分の上げ幅(176.67円:22年10月高値151.95円から23年1月安値127.23円を引いた値を、22年10月高値に加えた値)が変化幅の目処とされています。
〇主な上値目処(4/24執筆時点)
155.87円:1990年6月高値
160.20円:1990年4月高値
164.50円:1986年11月高値
168.89円:23年1月安値からのN計算値
169.08円:1985年2月高値262.80円-2011年10月安値75.35円の下げ幅1/2戻し
170.23円:360円-75.35円の下げ幅1/3戻し
176.67円:22年10月高値151.95円から23年1月安値127.23円を引いた値を、22年10月高値に加えた値
184.09円:360円-75.35円の下げ幅38.2%戻し
※Trading Viewより
ドル買いポジションは一部キープ、不測の事態にも備える
さて、152.80円の買いポジションですが、個人的には155円より上があるとみていますので、できればキープして高いところで売りたいと思います。
とはいえ、思い通りにいかないのは相場の常です。
すでに含み益が3円弱ありますので、クローズするとしてもプラスになるようにしたいと思います。
4/25にこう書きました。
ドル円は155円台に乗せたが、まだ上はあると見ているので152.80円の買いはキープ。ただ、介入を警戒して、売りストップを153.30円から転換線の154.18円に引き上げる。万一介入で急落する場合は買い場を探したい。ランド円7.78円買いは長期保有目的なのでキープ。
これで、万一介入などで下押して売りストップが成立したとしても、買値より上での決済となりますので、足は出ない(マイナスにならない)状況に持ち込めたかと思います。