外為市場かく戦えり

第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


ユーロドル、ショートを持つ(1/25)

1月25日に「ユーロドルは1.0860ドルで売り」と書きました。その時、チャート上では「21日線で反落していた」ことが、売ろうと考えたきっかけです。

また、タイミングよくドル買い(強い米GDP)、ユーロ売り(ECB総裁会見を受け一部で「6月までに50bp利下げ」との報道)の材料も出てきましたので、ユーロドルは下げる可能性があると判断して売りポジションを持ちました。


その時、損切りは線の向きが下向きとなっている21日線を目処にしました。なお、利益確定は日足一目均衡表の雲下限1.0757ドルを挙げていますが、雲下抜けるとそれなりに値幅が出ることが予想ます。その時は流れについてゆくことも選択しておきたく、損切りほどにはタイトな設定にはしておりません。


※Trading Viewより



ランド円、デッドクロスの先を予測して落ち着いて買いたい(1/26)


1月26日に「ランド円は買いたい」と書きました。ただし、「あと4週ほど13週線に下落圧力が掛かることが予想され、26週線とデッドクロスする場面もありそう。ゆっくり買い場を探したい」とも書いています。今回はそのあたりについて触れてゆきます。

 

まずは、執筆時点での13週線について解説します。当たり前のことですが、基本的には13週線は「直近13週間の終値」をすべて足して13で割った値です。直近の13週線を見ると、計算対象の中に昨年11月に付けていた8円台前半の終値が含まれていました。今後、これらが徐々に計算対象から外れてゆきます。


一方、入ってくる値段はというと、執筆時点では7.8円台でしたので、少なくとも近い将来に8円台前半に定着しない限り、入る値段より抜けてゆく値段のほうが大きくなります。したがって、13週線の向きが下方向となる可能性が高いと考えられます。

 

次に26週線について、今後4週ほどで計算対象外となるのは、昨年8月につけた7.6円台となります。こちらは入ってくる値段のほうが大きくなりそうなので、26週線は上向きを維持しそうです。

 

これらを踏まえ、短期的には13週線が26週線を下抜く「デッドクロス」の局面が予想されます。

 

 もっとも、13週線については、このまま7.8円台をキープするようでしたら、今後4週ほどで計算対象の中にある高い値段が除外されてゆきますので、デッドクロスの発生は一時的と予想しました(万一下げが止まらない場合、デッドクロス出現後も軟調に推移するということも、ないとは言えません。その場合はシナリオの見直しや再構築が必要となるでしょう)。


そのほか、週末のNY時間午後ということで、よほどの出来事がない限り週足での五陽連出現がほぼ確定的であったこともあり、「基本は買い目線だが、エントリーポイントはゆっくり探したい」としています。


※Trading Viewより


この連載の一覧
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
第7回 円安が敵に回る
第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

川畑 琢也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております