外為市場かく戦えり

第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回もドル円です。

例えばポジションを持った後、ストップ水準を決めていなかったがために、どこで損切ればよいか頭を抱えてしまった・・・という経験は多くの方がしていると思います。

そうなってしまうと、利益確定に至るか、それとも強制決済が先かは、自身では全くコントロールができず、相場に委ねてしまうこととなります

想像しただけでも背筋が寒くなります。


そのような苦い経験をしなくて済むよう、ストップ注文に救われた話です。


皆様の参考になれば幸いです。



流れは下。さて・・・


ドル円は日足の一目均衡表で三役逆転が点灯する中、16日に140円を割る場面がありました。

この日の足形はたくり足、かつ下値圏ということもあり、上昇に警戒しつつ下向きの流れ継続と見て売りを考えました。


17日にこう書きました。

ドル円、FOMCでの大幅利下げ観測のほか、日足の均衡表での三役逆転もあり、上値が重い。現在レート140.65円で少量売り。現時点での本日高値のやや上141.30円でも少量売り増すが、142.00円でストップ。利確候補は昨年7月安値137.25円だが下げ渋る場合は早めに逃げたい



相場は見事に正反対の方向へ


17日は売り指値も成立しましたが、上伸の勢いは止まらず、そのままストップの142.00円も成立。

結局、この日は142円台半ばまで上昇しました。


その後の値動きは、翌18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)後の下押しで140円台半ばまで下落するも一時的となり、19日の東京市場にかけて144円目前まで上昇しました

もしストップが成立しなかったと仮定すると、144円手前で今後どうしようか頭を抱えていたかもしれません。


損失確定の時はがっくりときましたが、後で振り返ると142円で終わりにできたので、メンタル面からも次への余力は残せたのではないかと思います。


※Trading Viewより



現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


この連載の一覧
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
第7回 円安が敵に回る
第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

川畑 琢也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております