外為市場かく戦えり

第20回 慌てるな!待つも相場

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、相場格言で「待つのも相場」とあります。のべつ幕無く売買してはいけないという意味です。


ギャン理論で有名なW・D・ギャンも投資ルールの中で「過剰な売買をしない」というのがあります。

また酒田五法では、「三法」で売り買いが交錯する場面では休むことの重要性を説いています。


どのようにして「儲けたい」という欲求を抑えるかは、東西を問わず投資家共通の悩みなのかもしれません。


前置きが長くなりましたが、皆様の参考になれば幸いです。



ドル円を買ってみた


今回、タイトルにもあります通り、14日にドル円を買いました。

植田日銀総裁の会見前でしたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合を通過したことで、ドル円の方向性は変わらないとの見方で、買おうと思いました。

ただ、直前に157円台前半や156円台半ばで買ってみたものの損切りさせられた直後ということもあり、ロット数は少なめにしています。


その時、こう書きました。

ドル円、相場格言の「買いにくい相場は高い」ではないが、158円に乗せてきたので、高いのを承知で現在レート(158.15円)で買い。ただし損切り直後のためロットは少量に留める。損切りは日銀発表前に下押した156.86円のやや下156.75円。利確候補は4月29日高値160.17円。



※Trading Viewより


今振り返ると、植田総裁の発言を見てからのほうが、有利な値段で買えました

総裁会見買値から1円超下落したのを見て、もう少し待つべきだったと痛感

欲望に勝てず、後悔先に立たずでした。

なお、通常ならば157円台前半や半ばでの買い下がりも考えたかもしれませんが、いかんせん損切り直後で流れがどうも悪いような気もしたので、あえてこの手は使いませんでした。



今後は・・・


ドル円を積極的に買わなかったもう一つの理由は、ボリンジャーバンドの上下の幅が広がっていなかったからです。

いわゆる横ばい(スクイーズ)に近い状態でしたので、トレンドを伴う動きにならない可能性も考えました。


ただし、バンド幅が拡大する場面(エクスパンション)があれば、今度は上値を追いやすくなると考えました。そこで、18日にはこう書きました。

ドル円(158.15円の買い)は(156.75円の)ストップがつかなかったのでキープ。14日に付けた月初来高値(158.26円)を更新して引ける場合は買い増しも検討。


執筆時点(20日NY時間)では、バンド幅が広がりを見せていますので、21日は買い場を探そうと思います。

158.30円レベルが攻防の分岐点になるか注目であり、買い増しをするならこの水準よりやや上を候補にしたいと思います。



現在保有ポジション(執筆時点)


ドル円 158.15円買い少量

NZドル/ドル 0.6129ドル売り


以下は長期保有目的

ランド円 7.78円買い少量

トルコリラ円 4.87円買い


この連載の一覧
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
第27回 【ランド円】長期保有の予定だったが・・・
第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
第7回 円安が敵に回る
第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

川畑 琢也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております