「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
さて、今回は「収支のマイナスをプラスに変える方法」を考えてゆきたいと思います。
トレードにおいて、マイナス(損失)が出ることは避けられません。すぐにプラス(利益)となればよいですが、往々にしてマイナスが膨らんだという経験をされた方は多いのではないでしょうか。皆様のトレードの参考になれば幸いです。
結論:誰もが知りたい方法は「ない」、それを前提に考える
結論から申し上げますと、「すぐにプラスにする」や「必ずプラスにする」といった、だれもが知りたい方法は、残念ながらありません。
万一あったとしたら、詐欺を疑ったほうがよいでしょう。
そうした中、どうプラス圏に収支を持ってゆくかは、各々が見つけてゆくものです。
皆が同じ方法で取り組んだとしても、人それぞれの相場観や癖などが入り混じると、必ずしも同じ結果になるとは限らないところが、トレードの難しいところであり面白いところです。
今月は開始直後にマイナスを出してしまいました。そのことがどうトレードに影響したか、そのうえで筆者なりにプラスを回復した足跡を書いてみました。
ポンドを売ってみたが・・・(2/7)
2月7日、こう書きました。
ポンド円、5日の抱き線で前日陽線に被さったほか、日足一目均衡表の転換線が抵抗となっていることから、目先は下押し余地あると判断して186.35円で売りエントリー。利確候補は200日線181.87円、損切りは転換線186.90円を超えたら。
結果は、あえなく損切りとなりました。転換線を超えると13日に190円の大台に乗せるなど、方向を間違えたとしか言いようがありません。
2月に入ってからのポンドドルは小動きですので、クロス円にとってもう片方の車輪にあたるドル円の上昇に連れた格好となりました。
今振り返ると、21日移動平均線の傾きが上向きをキープしていたあたりを軽視してしまったのかもしれません。
また、身動きの軽い方なら「21日線に戻してきたのを見て、損切りと新規買いを同時に行う」というドテン注文をする方もいるかと思いますが、私自身そこまで器用ではないので、今回はそこまで手が回りませんでした。
※Trading Viewより
ドル円でプラスに浮上
2月9日、こう書きました。
日銀副総裁のハト派的発言+実体を伴う年初来高値更新を見たので、149.38円で成行買い。ただし高値掴みの懸念は拭えないのでロットは半分、損切りは5日高値148.89円割れ。利確は、152円をあっさり抜けるならそのままホールド、そうでない場合は足が出ない内に決済したい。
積極的に仕掛けるのなら、前日の内田日銀副総裁の発言後に買えればよかったのですが、先ほどのポンド円のマイナスもあり、なかなか手が出ずに翌日買いました。
前回の出遅れたユーロドルの時もそうですが、今回はポンド円のマイナスを引きずっての立ち回りであったため、やや慎重気味になっています。
※Trading Viewより
「無理せず、はやる気持ちを抑えて」マイナスを埋める
個人的な経験となりますが、以前ディーリングをしていた時、相場下落についてゆけず損失を抱えてしまう時がありました。
その直後、相場が反発。ちょうど自分の中で予めイメージした通りの動きであったこともあり、損失挽回の局面に入ってゆきました。多くの方はここぞとばかりに負けを取り返すべくリスクをとるかもしれませんが、私自身は積極的に動くとそれがあだとなってしまい、結局マイナスから脱出できなかったことが過去にありましたので、無理をせず、はやる気持ちを抑え、一歩ずつマイナスを埋めるようにしました。
結果、その日のマイナスを取り返してプラスで終えることができました。
トップディーラーでしたらほかの方法があるかもしれませんが、中には私のような鈍くさいディーラーもいます。
ドル円結果は・・・
話を戻しますと、14日にドル円が150.83円まで上昇するのを見て、ストップロスを150円割れにして、下げてもプラスでクローズするようにしました。これで、とりあえず月間収益はわずかながらプラスに。翌15日に149.57円まで下落する中、149.90円で売り決済して多少ながら利益が残せました。
含み益が大きかったのが一転して含み損になってしまうと、「なんであそこで決済しなかったの??」と考えてしまいがちです。そうなってしまうと、次のトレードにも悪影響を及ぼしてしまいます。
振り返り
今回のドル円についてご意見はあるかと思いますが、個人的にはプラスで終わったのでほっとしたところです。
反省点としては、16日に「本日あっさり150円に回復するのを見て、勝負に出れる状況だったらカットラインは転換線(149.26円)割れのほうが良かったかとも」と書いた通り、あえて勝負に出てもよかったかもしれない、それ以前に勝負に出れる環境を整えられなかった、ことでしょうか。
とはいえ、ポジションがなくなったことで身軽になったのも事実ですので、気持ちを切り替えて次にいきたいと思います。