「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
ドル円は、月足や週足で確認できる三角保合を上抜けると、その後154円台へと上値を伸ばしています。
チャート的には上昇再開のサインと解されますが、さすがに34年ぶり高値水準とあっては、誰もが「高値掴みはしたくない」と思うところです。
そうした中、どう動いたかについて触れてゆきたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
ドル円、三角保合上抜け
ドル円は2022年以降、三角保合の一種とされる「アセンディング・トライアングル」を形成していましたが、今月に入り152円の上限を突破。
16日には154.79円まで上昇して、1990年6月以来の高値を付けています。
この三角保合は上昇トレンドを示唆する型とはいえ、足元で1カ月近くも上限で張り付いていたほか、アペックス(※)が近づくなど、相場は煮詰まりつつある状態でした。
そうした中で上抜けたことにより、上昇トレンド再開といった流れになっています。
(※)アペックスや、今年のドル円の見通しについてはこちら。
※Trading Viewより
チャートの声
教科書的には、三角保合を上抜けたときは一段と上昇する可能性があるので買い場とされています。
ただ、今回のドル円については、1990年6月以来約34年ぶり高値水準に到達していることや、政府からの円買い介入が警戒される水準でもあることから、買うにしても勇気がいる場所であったかと思います。
そうした場所ではありますが、「以前から抜けたら160円方向への道が開けるとみていた」ことや、「損切り水準を決めておけば介入に対する備えはできる」との考え方から、買いでエントリーすることにしました。
その時の記事(4/12)はこちら。
ドル円、三角保合を上抜けた翌日の下押しは152円台後半までだったことや、その後の金融当局者の発言から切迫した感じが伝わらないことから、155円方向への上げを期待して153.00円や152.80円、152.50で買い下がり。損切りは従来の抵抗だった152円の少し下151.90円。
結果は、12日の下押しで153.00円と152.80円の買いが成立し、152.50円の買いは成立しなかったのでキャンセル。
また、翌週にストップ水準を見直す(151.90円→153.30円)ことで、下げても損失にはならないようにしました。
この時、ストップだけついて再び上昇というパターンもあるので、
・ストップの水準を実勢レートに近づけない
・チャートポイントは多少ずらす(これまでの上値抵抗であった152.00円や、153.00円などきりのよい水準、など)
・ストップが成立しても損益はプラスなので気持ちを切り替えて再度エントリーする
といったあたりを心掛けました。
※Trading Viewより
トレイリングストップ
また、ストップ注文を見直した際、一部ポジションでトレイリングストップを試してみました。
直近の下押し幅を考慮して、75銭の幅で出しました。
以下、時系列での推移です。
16日:トレイリングストップを75銭でセット(決済対象は153.00円の買いポジ)
NY市場で154.77円まで上昇後の下押しは154.04円に留まり、75銭のトレイリングストップはぎりぎり不成立
17日:154.79円まで上昇したため、トレイリングストップは154.04円に移動
18日:154円割れのタイミングでトレイリングストップが成立。
結果は、ストップ注文成立とはいえ、利益は残ったので、これはこれでよかったかと思います。