外為市場かく戦えり

第37回 【ユーロドル】念には念を入れて

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はユーロドルです。

久々に買おうかと思いましたが、どうも心残りがあって積極的には手が出ませんでした。

そのような中でどう立ち回ったかの記録です。


皆様の参考になれば幸いです。



チャートを見ると反転の兆しだが・・・


日足のローソク足を見ると、1.08ドルの節目を前に下げ渋ったほか、前日陰線にかぶさる形で陽線が出ました。

これを見て、1.08ドル割れに失敗して反発局面に入るかも?と思いました。


ただ、気がかりだったのは、ユーロを積極的に買うファンダメンタルズ面の材料が見当たらなかった点です。

テクニカルとファンダメンタルズの方向性が一致した場合は強い相場と解されますが、そうではないとなると、どこかに弱さを感じます。

そこで、今回は5日線を保険にして買いを少し待ちました


21日にこう書きました。

ユーロドル、日足で前日陰線を切り返す陽線を見て買いたくなるが、5日線の向きが横ばいに近くなるまで待ちたい。現在水準を維持できれば、あと1、2日ほどで下向きの線の傾きはだいぶ横ばいに近付く計算。ただしファンダメンタルズ面は「買いなの?」という感じなので持つポジションは少量に留める



5日線と相場の関係


5日の移動平均線は、当たり前ですが、「5日の終値を全部足して5で割る」と計算できます。

移動平均線の傾きを見るメリットは、

・線にすることで相場の方向性が見えやすくなる

・計算対象から外れる値段と入りそうな値段を抑えれば、線の傾きが予測できる

といった点にあります。


21日の東京市場時点では1.08ドル台前半で推移していたこともあり、17・18日に1.08ドル台前半でのもみ合いが続いていました。

あと1、2日経過すると15-17日の終値が計算対象から抜けてゆきます。

そのため、1.08ドル台をキープできれば線の傾きも横ばいに向かうと見ていました。


※Trading Viewより



予想通りにいかないのはよくあること


しかしながら、計算通りにいかないのは世の常です。

結果は、21日に陽線にかぶさる陰線を付けたことで、反発の目論見はもろくも崩れ去りました。


そうなると「売り再開か」と気持ちを切り替え、売りで入りました。

結果的に買い場は見当たらなかったのですが、変なところで買いから入るのを防ぐことができたので、それはそれでよかったのかと思います。



現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


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第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
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第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
第28回 【ドル円】振り返ると、さえない
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第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
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第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
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第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
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第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
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第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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