外為市場かく戦えり

第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はドル円のトレードの振り返りです。

前回、相場は時として厳しい一面を持っていると記しました。


一方で、相場の神様がほほ笑んでいるかのような時もあります。

ただ、【】にもあるように、世の中そう上手くはゆきません。


皆様の参考になれば幸いです。



方向感が出てきた


今月23日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(通称・ジャクソンホール会合)にて「米金融政策が転換点を迎えた」などと発言しました。

これにより、市場では米9月利下げがほぼ織り込まれました。


これに伴いドル売りが活発化すると、この日は高値から2円超下落。

その勢いは週初も続き、26日には143.45円まで下値を広げました。


23日に遠いところで売りの指値を出しましたが入らなかったものの、材料面からドル売り材料が出てきたということもあり、これはやりやすい相場が来たと思いつつ、週明けは売りで入りました


26日にこう書きました。

前週のドル円146.93円売り指値は不成立。足もとでは米利下げ観測が高まりドルを売りやすい状況なので、146.40円台まで下りてきた転換線のやや上146.50円をバックに、144.20円から60銭ごとに、146円にかけて少量ずつ売り上がり。利確候補は5日安値141.70円。


その後、144.20円と144.80円で少量ずつ売りポジションを持ちました。

ただ、どうにも下押しが鈍いのは気になりました。



何かがおかしい


そうこうしている内に、143円台で下げ渋る動きが続いたことで、6日線がローソク足に接近してきました

また、同線の傾きは下向きですが依然ほど急角度ではありません。

このまま同線を上抜いてしまうようですと、下値の堅さを確認したということで買いが優勢となることも考えられます。


材料面では、冒頭の「米9月利下げがほぼ織り込まれた」がネックかと思われます。

Fedwatchツールを見ますと、足元では9月利下げについて0.25%が約6割を占める一方、一時期盛り上がった0.50%利下げは4割弱に留まっています。

このあたりが、週開けからのドル売りの勢いのなさにつながったのではないかと推測されます。


さて、もし6日線を回復する場面が訪れるようですと、気の早い人はゴールデンクロス出現やWボトムを期待して動くということもありそうです

そうなる前に、早めに売りポジションを片付けようと思いました。


29日にこう書きました。

ドル円、5日や6日など短期線がローソク足に接近。このまま上抜けると流れが変わりそうな気がするので、144.20円と144.80円の売りポジは現在レート144.55円で損切り。出している売りの指値はキャンセル。予想が当たって短期線より上で引けたら、翌日は一旦買い場を探してみたい。


※Trading Viewより



この後ですが、6日線より上で終えたら打診買いしつつ、上向きの流れに乗れないかと思案しているところです。



現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


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第41回 【不調の時】いつもの「あれ」を忘れる
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
第30回 【気のせい】天使がほほ笑む相場に見えたが
第29回 【ドル円】どうする!?往復ビンタにあったら
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第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
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第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
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第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
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第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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