外為市場かく戦えり

第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


今回は前回に続き、ドル円で三角保合を上抜けた後にどう動いたかの振り返りです。

個人的には「待ってました」という局面ではありますが、思い通りにいかないのが相場の常です。

また、今回はストップロスを置くことの重要性を再確認した貴重な機会となりました。


皆様の参考になれば幸いです。



ドル円、三角保合上抜けを見て買いで入った後日談


以前、三角保合上抜けで買った一部のポジションは決済(※)して、残りは160円超えを期待してホールドしていました。


(※)その時の記事はこちら

第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる


結果からお伝えしますと、ワンタッチ160円乗せの場面ではとっさの反応ができず、ストップにしていた日足一目均衡表の転換線(156.02円)にタッチして決済が成立。とはいえ、買値(152.80円)より上での決済のため、利益は残る形となりました。



ドル円、再び買ってみるが・・・


5月1日、こう書きました。

米FOMC後にドル売りが強まるも、声明や議長会見を見る限りそこまで売るのかと違和感を感じたので、ドル円は昨日の指値をキャンセルして157.40円で成行買い。損切りは転換線156.88円、利確候補は160円かそれ以上で。


この時は160円超えを期待してNY市場午後に157.40円で買いポジションを持ったものの、どういうわけか、NYクローズを待たずして156.88円の損切りラインに到達してしまいました。


もっとも、その日は引けにかけて153.04円まで大きく下げました。

市場では政府・日銀が円買い介入に踏み切ったと言われていますが、言えることとしましては、大量のドル売り・円買い注文が出たので相場が大きく下げたということです。


ストップ注文を出す意味は、このような不測の事態に備える意味もあります

介入警戒感はあったとはいえ、それがいつなのかを予測するのは困難です。今回は単にエントリーポイントが悪かったと諦めるしかありません。



それでもめげずに買ってみる


その後、幸運にも、三角保合の上限のサポート力を再び試す機会がありました。

完全に下抜けてしまったらそれまでですが、個人的には仕掛けるならここと思っていた場所でもありましたので、ストップを決めて買いで入りました。


ただ、直前で損切りしたということもあり、今回はロットを減らしてのエントリーとしました。

また、損切りラインまで距離がありましたので、買い下がる方針にしています。


5月2日、こう書きました。

昨日のドル円の買い157.40円は156.88円で損切り。エントリーポイントが悪かったと気を取り直す。直近の下げでも三角保合の上限は維持しており、小ロットで現在レート(153.30円)で買い、152.60円で買い下がり。損切りは151.80円、利確候補は転換線156.61円。


買いポジションが成立後、4月米雇用統計後の下押しで151.86円まで下げた際はヒヤッとしましたが、その後はストップを試すことなく切り返す動きとなりました。


※Trading Viewより



ここから先ですが、160円を超えると、いよいよ176円を視野に入れて動く可能性が出てくるとみています。

直近で仕込んだ買いポジションをそこまで引っ張ることができるかはわかりませんが、当面は流れに沿って買いを考えたいと思います。

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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