外為市場かく戦えり

第50回 【ドル円】逃げるのは恥じゃない

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


今回は、ドル円です。

売ってみたのもの、ビッグイベントを前にどうしようか・・・という話です。


皆様の参考になれば幸いです。



ドル円、売ってみる


28日にこう書きました。

ドル円、昨日は154円後半-156円後半のレンジを下抜けるも、153円台後半の雲上限で下げ渋り。本日は156円目前まで切り返すも、前週末より上値を抑えている基準線156.30円までは戻しきれず。基準線をバックに現在レート155.60円で少量売り。利確候補は雲上限154.08円


日足でも上値が重いのは気になってましたが、週足の一目均衡表を見ると、年初に付けた高値を起点として上値を切り上げつつ、縮小する雲に沿う形で下げているのを見て、チャート上は下向きかと見ました

ただ、この時は前日に中国の人工知能(AI)企業であるディープシーク社が開発した低コストで高い性能を持つAIモデルの提供開始をきっかけとしたリスク回避の動きが一服しており、ドル円を下押す材料が分からない状況でした。

したがって、強気になれず、ポジション量を少なくして売りで入ることにしました


(左:週足 右:日足)

※Trading Viewより


米FOMC、どうしても気になる


売りでポジションを持ったのはよいが、翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が迫る中、下押しは155円台までと限られました。

翌日は多少利が乗っていたもののストップを引き上げるとすぐについてしまいそうな水準でした。


「含み益があるので損はしたくない」気持ちが勝り、結局はその場で利益確定しました。

米雇用統計もそうですが、FOMCもまた米指標の中で最も注意すべき指標の一つであり、結果次第で相場の流れを変えてしまうほどの影響力があります。


かといってFOMCを起きて迎えるのも、仕事を抱える会社員にとっては考え物です。

有給取ればよいのかもしれませんが、取れない場合もあるかと。

本業に影響が出るのはどうかと思います。


そういった気持ちの中、今回はFOMCを前に利益確定しました。

FOMCを前に逃げたと思われるかもしれませんが、為替の世界は逃げても大丈夫です。

大損しなければまたチャンスはあります。


※Trading Viewより



現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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