外為市場かく戦えり

第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回もドル円です。

トレードしていればいい時もあれば悪い時もあります。

今回は悪い時から始まりますが。

そんな中でのトレード記録です。


皆様の参考になれば幸いです。



負けたけど、腐らない


さて、前週末(9月27日)は146円台を見た後で142円台前半に急落という荒っぽい動きになりました。

それにより、前回お伝えした以下の買いポジションは軒並みストップ成立(買値より上の決済なので利益確定)となっています。

142.75円買い→143.90円

141.77円買い→142.90円


さて本題に戻ります。


週明けの30日ですが、27日の上影の目立つ形の陰線を見たことで、相場下落を予想してこう書きました。

週足の一目均衡表で三役逆転が点灯していたことも売りたい気持ちを後押ししました。


ドル円、週足の一目均衡表では三役逆転が点灯。日足での逆転点灯はまだだが、転換線や基準線がある143円台半ばが重い様子。日足の転換線のやや上143.55円をカットラインに、現在レート142.50円で売り。利確候補は16日安値139.58円だが下げ渋る場合は部分利確も検討。


しかし、実際は売りポジションを持った途端、相場から「待ってました」と言わんばかりにするすると上昇。

あっけなくその日のうちに損切りとなりました


途中経過を見て嫌な予感しかしませんでしたので、カットライン到達前の143円台に乗せたところなどでポジション縮小してもよかったかもしれません。

今後そのような時が出たら、執筆前でも早めに対処もしたいと思います。



腐らなければチャンスも見えてくる


さて、週初からショッキングな形でマイナススタートとなりました。


しかし、落ち込んでいても損失が戻るわけではありません。

後日、気を取り直してチャートや材料を確認したところ、2日に買おうと考えました。

ただ、既に145円台に乗せていたので、出遅れた印象もあったので、ポジションはいつもの半分に留めました。


その時はこう書きました。

ドル円、昨日は指標前に中東情勢悪化で動いてしまったので手が出ず。本日すでに145円台に乗せて今更感が強いのを承知で、現在レート145.35円で少量打診買い。前日高値144.53円でも少量買い増し。利確候補は雲の下限147.62円、損切りは143.90円。


買おうと思った理由ですが、

・日足の一目均衡表で基準線がレジスタンスからサポートに変化

・(9月30日時点では)当初は計算上の問題と軽く見ていた転換線の基準線上抜けが、そうではない雰囲気を出してきた

・10月1日に十字線を出した後も上昇しており、同線は上昇中の小休止だった可能性

・9月30日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「労働市場はこの1年落ち着いてきたが、依然力強い」などと発言し、年内の米大幅利下げ観測がやや後退

・・・などが挙げられます。



目標値到達、さっそく利益確定


2日の買いポジションですが、早速146円台に乗せたときに買値よりやや上145.45円にストップを変更しました。

そうして様子を見ていたところ、3日に147円台に乗せて利確候補の雲の下限147.11円にタッチ

ポジションが小さくて分割できなかったことや、明日に9月米雇用統計を控えていることもありましたので、「含み益をどうやって最大化して利益確定しようか!?」といった欲深いことは考えず、さっそく利益確定しました。


悪い時もあれば良い時もあります。

今回は、悪い流れをあまり引きずらないようにして次へ行くことができました。


※Trading Viewより



さて、こういった辛い時ですが、個人的には「寝れば何とかなる」と思っています。

その際は、負けをどう取り戻そう??などは考えないようにしています。

寝れないときは長風呂に入るなどして、眠れるように持っていきます。

寝て起きれば大抵の嫌なことは忘れられます。私だけかもしれませんが。


現在保有ポジション(執筆時点)


以下は長期保有目的

トルコリラ円 4.38円買い


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第41回 【不調の時】いつもの「あれ」を忘れる
第40回 【ドル円】気迷うのはローソク足だけではない
第39回 【ドル円】トランプ・トレードが取れなくても・・・
第38回 【増し玉】あいつとは、相性が合わない
第37回 【ユーロドル】念には念を入れて
第36回 【トルコリラ円】追加買いに乗り気になれない理由はコレ
第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
第34回 【ドル円】勝っておごらず負けて腐らず
第33回 【ドル円】守りたいもの、それは利益!
第32回 【夏の怪談】ドル円、ストップ注文を出していなかったら・・・
第31回 【振り返り】トレードにおける得手・不得手
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第26回 【トルコリラ円】損切りだけど、悔いはなし
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第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
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第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
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第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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