外為市場かく戦えり

第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


今回は、2月に買いが成立したランド円をどうするか、見通しをアップデートしました。

皆様のご参考になれば幸いです。



ランド円、買いはまだホールド中


ランド円は2月に7.78円で買いが成立後、堅調な推移が続いています。

3月に8円の大台に乗せると、5月21日には8.66円まで上値を広げて22年6月に付けた同年高値8.81円に迫っています。


その間、8.50円に到達したタイミングで、一部ポジションの利益確定を行っています。

以前お伝えしましたが、仮に17円のスワップが365日入ったとしても、値幅では0.6円程度ということもあり、一部は利益として押さえておこうと考えたためです。

※その時の記事はこちら


やや乱暴な言い方ですが、スワップを考えずに残りのポジションを同値で決済したとしても、差し引きプラスになります。


まずは、月足で現在の立ち位置を確認したいと思います。



月足は抵抗突破できるか重要な局面


先ほどもお伝えしましたが、ランド円は今月22日に8.66円まで上昇して、2018年と2022年の高値を結んだ抵抗線にタッチしました。

同線を突破できれば上値余地の拡大が見込まれます。


さしあたっての上値目処としては、22年高値8.81円や18年高値9.29円が挙げられます。

それらも上抜けるようならば、2006年高値から2020年安値の下げ幅に対する戻りを試す動きとなることも考えられます。

その場合、まずは38.2%戻し水準にあたる11.03円が目処となるか注目です。



※Trading Viewより


大物を釣るための心構え!?


さて、タイトルにあります通り、相場の世界で大物を釣るとなると、例えるなら、

・月足レベルで利益を上げる

・数十円単位の値幅で利益を出す

といった感じでしょうか。


さすがにランド円で数十円の値幅のプラスを出そうとするのは現実的ではありませんので、今回は月足レベルで利益を上げる方法を考えたいと思います。


用意するのは日足ではなく、月足などの長期チャートです。

月足など長めのチャートを見て大局観をつかんだうえで、目標値を設定する必要があります。


また、損切り水準についても、比較的遠めにして多少の下げで成立しないようにすることもポイントです。

大きな値幅を狙う以上、目先の利益を我慢して多少の下押しに耐える必要があります。



最終的には利益が残ることが大事


いくら大物狙いといっても、相場ですので、思惑に反して相場が下落してしまうこともあり得ます。

この場合、最もしてはいけないのは「先に実現した利益を上回る損失を出すこと」ではないでしょうか。


そうなる前に、カットラインを決めて撤退の準備も進めておくことは、資金を温存して次のチャンスを狙ううえで重要です。

無理のない程度に相場と付き合いましょう。

この連載の一覧
第25回 【ドル円】風向き変わった!?ならば方向転換
第24回 【ドル円】スケベはスケベのままに
第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
第19回 相場における「恐怖」を知ろう
第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
第7回 円安が敵に回る
第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

川畑 琢也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております