日米ともに政治相場に
10月に入り日米ともに政局が混迷を深め、FX市場は政治相場となっています。
まずは米国で10月1日を過ぎると、議会で予算が合意されなかったことで一部に政府機関が閉鎖されました。
政府機関の閉鎖ということは、雇用統計や消費者物価指数(CPI)などを発表している労働省も閉鎖。
同様に個人消費支出(PCE)を発表している商務省も閉鎖されています。
よって、これらの重要指標が閉鎖されたことで、現在米国から発表される経済指標は民間調査会社などの指標のみとなっています。
(注・今週24日には年金算出の必要性からCPIが発表されます。ただし、閉鎖中であるため今回の指標の正確性にはやや疑問点がありそうです)
もちろん民間の経済指標でも市場は動意づきますが、やはり重要なものは政府発表のものになります。
政府の経済指標の発表がないことで、市場はインフレ動向や雇用情勢を知る術を失ってしまっています。
更に難しいのが、政府機関閉鎖が今後経済的な打撃を受けることです。
ベッセント米財務長官は「1日当たり最大150億ドルの損失をもたらす可能性があると考えている」と述べていますが、実際にどの程度経済指標へ影響を与えるかは、いまだに分かりようがありません。
このような状況下に陥ったことで、基軸通貨とされるドルが動きにくくなっています。
更に日本でも、公明党が26年間続いた自民党との連立政権から離脱しました。
今週に入り、臨時国会で首相選が行われるでしょうが、仮にここで首相が決定した場合でも政局は分からない状況です。
しかも、慣例的に日銀をはじめ多くの中央銀行は国のトップ(首相や大統領)が交代した直後は政策金利を変更しないとみなされています。
よって、市場は金利動向では動けず、政治相場になってしまっています。
日米は今後の政策進行や経済的な打撃を見極めなくてはならない
本邦の国内政治をみると、自民と維新の連立が有力ですが、26年にもわたる自公連立が解除されたことで、高市氏への責任論が浮上しています。
一部の調査では、自民党は公明党の尽力がない場合には衆院選挙区では自民党の議席の2割から4割を失うとの調査結果も出ています。
議員は落選すればただの無職の人になることで、党内では当然のように高市氏への風当たりが強くなります。
このようなこともあり、首相選挙で自民党及び維新等が組んだとしても、党内融和を図らざる負えないことで、高市トレードに戻るのが難しいかもしれません。
一部では麻生副総裁が、影の総理として暗躍するのではとのうわさもあります。
その場合には、財政積極路線を辿れるのかも不透明です。
また、米国も上述のように仮に議会が予算を承認した場合でも、どの程度の経済的なロスを計上することになるかは不透明です。
今後高市政権樹立となった場合や、議会で予算が成立した場合は市場が動意づくでしょう。
しかし、本番はそこから先です。
最初のリアクションが、ずっとその後も流れが継続するのかは不透明です。
裏で起こること(政権運営が期待外れになったり、政府閉鎖の被害が大きかったり)を考えないで、取引をやってはいけないでしょう。