特定の銘柄の値動きを追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は安川電機を取り上げます。証券コードは6506で、プライム市場に上場しています。
上方修正を発表して株価急騰
安川電機はサーボモータ、インバータ、産業用ロボットなどに強みを持っています。10月3日には上期の決算を発表しており、この時に通期の見通しを上方修正しています。
これを受けて、10月6日の株価は急騰しました。この日は自民党総裁選の結果を好感して日経平均が4桁の上昇となったこともあり、前営業日比19.3%高と目を見張る上昇となっています。
株式市場でロボット関連の注目度が高まる
チャートを見ると、決算で跳ねた後にも買いが続いていることが見て取れます。
直近では、ソフトバンクグループ(9984)がスイスの重電大手ABBからロボット事業を買収すると発表しており、そのことがロボット関連銘柄に対する期待を高めました。
10月14日は政局混迷に対する不安が高まり、日経平均が4桁の下落となりましたが、そのような中でも一時大幅高となるなど上を試す場面がありました。翌15日は日経平均が大幅高となる中で4.8%高と大きく上昇しており、決算で買われた翌週も強い基調が続いています。
それでも中長期では下げ止まった程度
日足のチャートをみると、過熱感が強いようにも感じられます。一方、週足のチャートをみると、また印象も変わってきます。
こちらが週足のチャートとなります。
安川電機は業績に対する懸念が強く、2024年は下落基調が続きました。2025年に入ると下げ止まり感は出てきたものの、低空飛行が長く続きました。
下げトレンドが続いている銘柄は、動きが良くなると戻り売りに押されやすい傾向があります。ただ、足元では決算に対する反応も強かった上に、そこからさらに上値を伸ばしているだけに、戻り売りを相当程度こなしたようにも見えます。
また、安値圏で出来高が増加しています。ダラダラと下げが続いているうちは買い妙味が乏しいため、商い自体が盛り上がりません。安値圏で出来高が増えているということは、その水準で買いたい投資家が以前よりも多くなっていると考えられます。
10月に決算で買われた際も、値幅が出ただけでなく出来高も急増しています。これらの点を踏まえると、中長期の視点では底打ち期待が高まりそう、すなわち、まだ上値余地がありそうなチャート形状となっています。
一時的な上昇か大底脱出か
安川電機の10月15日の終値は4258円でした。100株単位で最低購入代金は42万5800円となります。今回はこのタイミングで購入したと仮定して、1カ月後の株価と見比べます。11月15日は土曜日のため、11月17日(月)の株価と見比べることとします。手数料・税金等は考慮しません。
今回、上方修正を発表したとはいえ、修正した26.2期の見通しもまだ減収減益計画ですので、業績回復は道半ばといった状況です。直近の上昇が一時的なものなのか、大底脱出を示唆する動きなのか、非常に興味深い局面です。
日々の振れ幅が大きくなっていますので、1カ月後の株価の位置も現状とは大きく異なっている可能性があります。「●●だからまだ上がりそう」「××だからここからは下がりそう」と、ご自身なりの仮説を立てて、この先の株価をイメージしてみてください。