10月4日に自民党総裁選の投開票が実施され、高市早苗氏が第29代総裁となりました。日本国内でも驚きの声であふれていましたが、海外勢にとって特にサプライズだったようです。
翌営業日6日の東京市場で日経平均は2000円を超える上昇。もともと最高値圏だったこともあって、下落を見込んでいた売り方の買い戻しも相場を押し上げる要因となったもようです。いわゆる踏み上げというやつですね。
ところで過去は自民党総裁選後から年末まで株価がどう動いたのか、日々相場を見ている人間からすると気になるところ。ということで、歴史を振り返ってみました。
過去の自民党総裁選
数えてみるとこれまでに41回の総裁選があり、年内に2回あったときもありました。時系列で日経平均の数値だけ見ると、戦後の景気拡大期ということもあって上昇基調です。ただ、結果を見ると総裁選があったときの年末は必ずしも日経平均が上昇で終えたわけではないことも分かりました。
特に、森総裁誕生の時はITバブル崩壊直後、麻生総裁誕生のころはリーマンショックと、相場環境に恵まれていません。その時の政治情勢だけでなく、経済環境、海外情勢などさまざまな要因から株価が動いているので、総裁選だけで株価が1年間好成績というのは難しいようです。
今回は高市氏勝利のサプライズで総裁選翌営業日の10月6日は日経平均が2000円を超える上昇となりました。ただ、最高値圏からの一段高ということもあって過熱感が増していることは否定できません。年内に調整が入ったとしてもそれを乗り越えられるか、高市氏の手腕が影響するところは大きいと言えそうです。
高市氏の政策
保守色が強い高市氏が総裁となるため、リベラル色が強かった石破氏からとは正反対です。また、積極財政による投資や金融緩和持続を志向しているので、株式市場にとっては日本経済の活性化期待や低金利環境の継続、円安とプラス影響が多いとみられます。
一方で、政策内容的には物価上昇を加速させる可能性もあるため、国民の懐がインフレを上回って潤う結果が伴わないと生活は厳しいままです。日本は輸出大国なので外需企業にとって円安は歓迎されますが、小売などの輸入企業はコストがかさむため嬉しい話ではありません。
小売企業が政策の恩恵を受けられるかは消費が活発になることが肝なので、いずれにしても今後の高市氏の動向に要注目です。
※弊社作成 日々の終値ベース 2025年は10月7日まで
日経平均の算出開始日は1950年9月7日ですが、戦後に東京証券取引所が再開した1949 年5月16日までさかのぼると176.21円となります。2025年10月7日の終値ベース最高値は47950.88円なので、なんと脅威の272倍です。
もし25年10月7日の高値47950.88円からさらに272倍になると、日経平均は1304万円と未曽有の領域。さすがにそれはないだろうと思いますが、日経平均が3ケタの時代を知っている人にとっては、まさか5ケタになるとは…といった感覚ではないでしょうか。政治は株価にも大きく影響するので、自分が生きているうちに日経平均が6ケタとなるような展望を期待したいと思います。