2025年の第2次トランプ米政権(2025年~2028年)でのドル円は、エリオット波動での「第4調整波動」による「三角保ち合い」を予想します。
現状のドル円は、2024年7月の高値161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中であり、ネック・ライン(※140.25円~139.58円~4月:139.06円~5月138.98円)の下抜けにより完成します。
ドル円のエリオット波動分析では、第4調整波動のX波動を形成中だと思われます。
ヘッド・アンド・ショルダーが完成した場合、三角保ち合いの起点である127.23円付近までの続落が想定されます。
ドル円は、短期的には8月1日の高値150.92円から146.21円まで下落した後、149円台前半の200日移動平均線が上値を抑える中で、146円-148円での保ち合い、「フラッグ」を形成しつつあります。
中期的には、150.92円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成しつつあり、ネック・ライン(145.86円~145.49円)の下抜けを待つ展開となっています。
【戦術(2025年9月22日週)】
ドル売り:@149.00円 ⇒ ストップロス@151.00円
クリントン政権のベンツェン第69代米財務長官は、日米貿易不均衡是正のために、ドル円の113.60円を許容される上限(ベンツェン・シーリング)を設定していました。
トランプ政権のベッセント第79代米財務長官も、日米貿易不均衡是正のために、ドル円に許容される上限(ベッセント・シーリング)を設定しているのかもしれません。
1.ベンツェン・シーリング(1993-94年:113.60円)
1993年1月に就任したクリントン第42代米大統領とベンツェン第69代米財務長官は、巨額の対米貿易黒字を抱える日本に対して、貿易不均衡是正のためのドル安・円高圧力をかけました。ベンツェン米財務長官は、ドル円相場の113.60円が天井と示唆し、「ベンツェン・シーリング」を上限にして円高圧力をかけ続けました。
ドル円は、1995年4月の79.75円(※当時の戦後最高値)に向けてドル安・円高トレンドを形成しました。
2. ベッセント・シーリング(150円±1円?)
■2025年2月の植田日銀総裁との電話会談
・2月5日:植田日銀総裁と電話会談(※ドル円:152円~154円)
・2月6日:ベッセント米財務長官発言
「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」
■2025年8月の植田日銀総裁との電話会談
・8月11日:日本経済新聞とのインタビュー
「強いドルとは基軸通貨を維持し続ける政策だ」
「(長く続く円安については)日銀がインフレ率や成長率に焦点を当てて金融政策を進めれば、為替レートは自然と調整される」
・8月13日:ベッセント米財務長官発言(※ドル円:147円~148円)
「これは植田日銀総裁の見解ではなく、私見だが、日銀は後手に回っており、利上げするだろう」