日々是売買~トレードへの道

第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」

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ドル円、ストップロス水準「145.10円」に接近

 

昨日10日には注目の7月米消費者物価指数(CPI)が米労働省から発表されました。結果は総合が前月比0.2%/前年比3.2%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比4.7%と、ともに前年比で予想を下回る内容となりました。

 

ドル円は指標発表直後こそドル売りが優勢となり、一時143.30円と日通し安値を付けましたが、すぐに買い戻しが優勢とあり「あれよあれよ」という間に上昇してしまいました。米CPIの結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が和らいだことで、ダウ平均が一時450ドル超上昇。リスク・オンの円売りが出たようです。

その後、ダウ平均は急速に伸び悩みましたが、米30年債入札が「低調」だったことを受けて米長期金利が上昇。今度はドル買いが強まり、一時144.82円と7月3日以来の高値を付けました。

なお、米10年債利回りは米CPI公表直後に3.9417%前後まで低下しましたが、米30年債入札の結果を受けて4.1113%前後まで上昇しています。

 

ドル円の5分足チャート

*Trading Viewより


 

先週建てた(1)ドル円「142.965円」のショートは現在踏み上げられ中。さらには(2)設定している逆指値注文(ストップロスオーダー)の「145.10円」に接近しています。(3)ロットは「8」ですので、現在の含み損は14万円を超えています

 

*IG証券より


 

このストップロス水準は「直近高値である6月30日の高値145.07円を超えたらあきらめる」との考えから設定し、早々にこの水準を上抜けることはないだろうと予想していましたが、現在は半分あきらめ中です・・・。

 

 

 

日本は祝日のため円安けん制発言はないか!?

 

ドル円の「145円」はチャート的にも重要ですが、心理的にも非常に重要視されるところです。政府・日銀は昨年9月、ドル円が145円台後半まで上昇した際、24年ぶりの円買い介入に踏み切りました。また、10月には151円台後半と約32年ぶりの円安水準で過去最高の5兆超規模の介入を行っています。これを受けて、マーケットでは「145円」「150円」の水準が介入警戒ラインとして意識されています。

 

神田真人財務官は6月下旬に145.07円まで円安が進んだ際、「高い緊張感を持って注視し、行き過ぎた動きがあれば適切に対応する」と発言し、市場をけん制しています。ただし、本日は山の日の祝日で東京市場は休場。きっと国内要人(神田財務官)も3連休&夏休み&お盆休み入りしているため、「円安けん制発言」は期待できない可能性が高いかもしれません。

 


これまでは日本の「お盆休み」が影響し、8月は「円高のアノマリー」が意識されていましたが、今年はそれも期待できないようです。ひょっとしたら、円高アノマリーを期待してドル円をショートした向きが踏み上げられている!?

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

この連載の一覧
第37回「政府・日銀、投機筋との攻防は長期化の可能性」
第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
第25回「注目のFOMCタカ派寄りもドルは下落」
第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
第18回「米債ロングは利食い FRB議長発言を前にポジションはなし」
第17回「米長期金利、2カ月ぶり低水準 上昇リスクにはなお注意」
第16回「米国債のロングポジション、含み益が拡大」
第15回「米国債のロングポジション、含み損から含み益に」
第14回「米10年債利回り、16年ぶりに『5%』を突破」
第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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