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ドル円、週末にかけて伸び悩む
今週のドル円は方向感に乏しい展開でした。トランプ米大統領は11日、自身のSNSに「習近平中国国家主席と私が最終承認すれば中国との合意は完了」「中国からレアアース(希土類)が前倒しで供給される」と投稿。米中貿易摩擦の緩和期待から円売り・ドル買いが出て、この日のNY市場序盤に145.46円まで値を上げる場面がありました。
ただ、同日発表の5月米消費者物価指数(CPI)や翌12日の5月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い内容だったことが分かるとドル売りが優勢に。ドル円は徐々に弱含む展開となりました。
*Trading Viewより
そして、11日頃から「米政府は中東地域との緊張が高まる中、兵士の扶養家族の自主的な退去を許可した」といった中東の地政学リスクを意識される報道が相次ぎました。13日にはイスラエル軍がイラン各地の核関連施設を含む数十カ所の軍事施設を空爆したと発表。これを受けて、当初は株価の急落・原油価格の急騰・円買い・ドル売りが優勢となりました。ドル円はこの日の東京市場で142.80円まで売られる場面がありました。
もっとも、海外市場では中東情勢の緊迫化を受けて投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、流動性が高いドルを買う動きが優勢に。いわゆる「有事のドル買い」が優勢となりました。ドル円はNY時間に144.48円まで値を戻しています。結局、今週のドル円は142.80-145.46円のレンジで週末終値は144.07円と方向感に乏しい展開となりました。
*Trading Viewより
なお、イスラエルによる対イラン攻撃を受けてWTI原油先物価格は急伸しました。イランも応戦し、軍事衝突が激化するとの懸念が強まっています。中東の地政学リスクの高まりで原油の供給混乱が警戒され、一時77.62ドルと14%を超す大幅高となりました。
投機筋の円買いポジション、縮小が継続
米商品先物取引委員会(CFTC)が6月13日(日本時間14日早朝)に発表した6月10日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は14万4595枚の円買い越し(ドル円のショート)となり、前週から6554枚減少しました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢に。4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。これ以降はその動きが一服となっており、少しずつですが、円買いポジションの縮小が続いています。「ポジションの巻き戻し」の始まりとなっているのか、それとも「ポジション調整」の範囲内なのかに注目が集まるところです。いまだ14万枚を超える円買いポジションであり、依然として高い水準にあると言えます。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、薄くなりつつある雲を睨んだ神経質な展開が続いています。13日取引終了時点では雲の上限(145.60円)、下限(144.08円)、転換線(143.92円)、基準線(145.38円)となっており、雲下限と転換線に近いところで週末の取引を終えています=終値(144.07円)。しばらくは薄い雲が145円台前半で推移するため、ここからの動きに注目が集まります。
*Trading Viewより
なお、現在のポジションはドル円ロング@144.235円。来週以降も押し目を拾いたいところです。
*IG証券より
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