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今週のドル円、戻りが鈍かった
今週は材料豊富な1週間となりました。まずは11日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院銀行委員会での議会証言。パウエル氏は「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」「米経済は総じて好調」などと話し、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の定例記者会見とほぼ同じ見解を繰り返しています。また、トランプ米政権の関税政策については「貿易政策についてコメントすることはFRBの役割ではない」として言及を避けました。市場では「パウエル議長の議会証言前にドル買いが一定程度進んでいたため、ユーロやポンドに対してドル売りが優勢となった」との声も聞かれました。
翌12日には1月米消費者物価指数(CPI)が総合・コア指数ともに予想を上回ったことが分かり、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進みました。パウエルFRB議長が米下院金融サービス委員会で「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」と述べたこともドルの支援材料となりました。
*Trading Viewより
ただ、ドル買いは長続きせず、13日には1月米卸売物価指数(PPI)が予想よりも強い内容だったにもかかわらず、市場では「FRBが金融政策を判断するうえで重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の構成要素となる部分が控えめの数字と受け止められ、前日急上昇していた米長期金利が低下した」との声が聞かれ、ドル売りが優勢となりました。
さらに、トランプ米大統領が貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の導入を指示する大統領令に署名しましたが、関税の即時発動が見送られたため、インフレや貿易摩擦を巡る過度な懸念が後退。米株高と米金利低下が進み、ドル売りにつながりました。
テクニカル的にも売りが出やすい
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、雲の上限155.78円、基準線154.90円、雲の下限153.76円、転換線153.23円を週末の終値(152.31円)で明確に下回っています。さらには200日移動平均線が位置する「152.73円」も週末終値でしっかりと下回っています。「テクニカル的にも売りが出やすい状況」であり、さらなる下落も想定されます。
*Trading Viewより
200日移動平均線は重要な中期線として、機関投資家など多くの市場参加者が注目するポイントになっています。テクニカル的なサポートやレジスタンスとしてだけではなく、ここを中心に投資家心理も大きく変わってくると言われています。
投機筋の円買いポジション、5万4615枚まで拡大
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表する建玉報告を見てみると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円のポジションは昨年7月2日に18万4223枚の円売り越し=ドル円のロングとなり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録しました。ただ、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越し=ドル円のショートとなり、2016年10月以来の高水準を付けました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
しかし、投機筋の円の対米ドルポジションは再び円買いに傾いています。2月14日(日本時間15日早朝)に発表された2月11日時点の建玉報告によると、投機筋のポジションは5万4615枚の円買い越しと前の週から3万5847枚増加し、10月1日の5万6772枚の円買い越しに迫っています。日銀の早期追加利上げ観測が高まる中、円買いポジションが積み上げられたことは容易に想像することが出来ます。
ドル円のロングはいったん利食い
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。その後、12月5日には「150.325円」で追加ロングしていますが、これは11月15日の高値156.75円の突破を期待してのポジションメイク。平均コストは「147.49円」となっています。
*IG証券より
ただ、今週は様々な材料が出たことやテクニカル的にも売りが出やすい状況を鑑みて、ついにドル円のロングをいったん解消しました。このところ「いったん利食いした方が良いのでは?」との気持ちが大きくなっていましたが、なかなか決断できずにいました。ただ、上記理由からやっとポジションを解消することが出来ました。なお、計2ロットの利益は併せて10万3190円となりました。
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