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久々のリスク・オフのムード
先週、「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」との記事を投稿しましたが、このところ為替相場は大きな方向感に乏しく、ボラティリティも低い状況が続いていました。ただ、昨日のNY午後に入り急速に動意付く展開となりました。久々に「リスク・オフ」という言葉を聞いた気がします。
昨日は本日の3月米雇用統計の発表を前に様子見ムードが広がり、しばらくは株高・円安・ドル安がゆっくりと進んでいましたが、「イランは48時間以内にイスラエルを攻撃する可能性」との一部報道などを受けて、中東の地政学リスクが高まると原油先物価格が急騰。堅調に推移していた米国株相場も一転下落する展開となりました。為替市場ではリスク・オフの円買いとドル買いが強まり、ドル円は151.12円まで下落、ユーロ円も164.92円の日通し高値から163.80円の日通し安値まで一転下落しています。
*Trading Viewより
なお、昨日はカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が「インフレの進展が停滞すれば米連邦準備理事会(FRB)は今年利下げしない可能性」と発言、バーキン米リッチモンド連銀総裁も「利下げまでに時間かけるのが賢明」と指摘。さらにはハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も「インフレ率は依然として高すぎる」との考えを示しており、株式市場では「年内の利下げが見送られる可能性」が意識されて失望売りが広がったようです。もちろん、イスラエルとイランの緊迫化で中東情勢への警戒感が高まったことも株式相場の重し。
*Trading Viewより
なんと、ナイト・セッションの日経平均先物は一時4万0010円まで上昇する場面もありましたが、終盤失速。引けにかけては一段安となり、大証終値比740円安の3万9080円まで急落しています。
日経平均先物の1時間足チャートを見ると、4万0910円⇒4万0770円⇒4万0760円⇒4万0290円と徐々に上値を切り下げており、「4万円台では上値が重い」印象です。日経平均は今年に入って3万3300円⇒4万1000円とおよそ8000円上げてきましたので、そろそろ調整が入ってもおかしくはない状況です。
リスク・オフ継続なら円買いか!?
市場では「米国の確定申告は4月15日。納税のために米国民は株式投資を控える傾向もあり、キャッシュ・ポジションを高くすることが予想される。そのため、15日にかけて米国株は弱含みやすい」との声も聞かれます。米国と日本の株式市場が調整のため下落するようならば、為替市場では本日のように「リスク・オフの円買い」が強まる可能性もあります。
*Trading Viewより
ユーロ円は3月20日に165.35円と2008年8月以来の高値を更新したあと162円台まで調整したものの、そのあとは再び上昇。昨日は164.92円まで値を上げています。ただ、NY終盤のリスク・オフで失速。この流れが続くとすれば戻りを売ってみても面白そうです。
*IG証券より
ということで、早速ユーロ円(標準)を163.929円でショート、ロット「1」、ストップロスは直近高値である3月20日の165.35円より少し上の「165.45円」に設定しました。
政府・日銀の為替介入への本気度は高い?
大和証券は為替に関するリポートの中で、「ドル円が一時151.97円を付けた3月27日に、日本の通貨当局の動きが一気に慌ただしくなった」と指摘。鈴木財務相が「断固たる措置」という言葉を使って市場を強くけん制し、夕刻には財務省・金融庁・日銀による臨時の三者会合が10カ月ぶりに開催されました。同証券は「この会合後に会見に応じた神田財務官の発言内容や語気の強さからは、“かなりの本気度が感じられた”」と指摘。「ドル円が152円台に乗せるタイミングでは、実弾の円買い介入が実施される確度が高いと考えている」としています。
足もとの株安・原油高によるリスク・オフの地合いが続く可能性と、仮に円安が進んだ場合でも政府・日銀による為替介入の可能性とを考えるとユーロ円のショートは確度が高いディールになるのでは?と期待しています。
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