日々是売買~トレードへの道

第68回「やっぱり7月3日の高値161.95円突破を狙いたい」

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日銀は追加利上げを急がない

 

今週もドル円は底堅い展開が継続しました。クリスマス週とあって、海外勢の多くが休暇に入る中、特に本邦実需の買いが目立ちました。植田和男日銀総裁が25日の講演で、「今後の金融政策運営はトランプ次期米政権の動向や来年の春闘に向けた動きを注視していく」との考えを改めて表明。円安が進行する状況下でも従来の姿勢に変化はなかったことから、日銀は追加利上げに慎重との見方が再度広がり、円売りを誘った面もあったようです。植田総裁の毎年恒例となっている経団連での講演に向けて、一部では「もしかしたらタカ派的な発言があるかもしれないとのポジショントークに過ぎない期待感があっただけに、円売りでの反応が目立った」との声も聞かれています。

 

*Trading Viewより

 

また、米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースは鈍るとの見方が強まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6393%前後と5月2日以来の高水準を更新したことも相場の支援材料となっています。ドル円は26日に一時158.08円と7月17日以来の高値を付けています

 

 

 

日経平均株価、約5か月ぶりに4万円台を回復

 

27日の東京株式市場では輸出関連など幅広い銘柄に買い注文が広がり、日経平均株価は終値としておよそ5カ月ぶりに4万円台を回復しました。外国為替市場で円安・ドル高が進んでいることなどを背景に、自動車などの輸出関連をはじめ幅広い銘柄に買い注文が広がり、午後の取り引きでは一時800円以上値上がりする場面もありました。終値は前日比713円高の4万281円。

 

*Trading Viewより

 

27日の取引から受け渡し日が2025年になる「実質的な新年相場」。新NISA(少額投資非課税制度)の25年分の非課税枠で買える初日でもあり、市場関係者からは「新年のNISA枠を使って個人投資家が買いに動き始めたようだ」との声が聞かれています。また、「年末で目立った取引材料に欠ける中、年明け以降の株価上昇への期待から個人投資家の買い注文が増え、株価の上昇につながった」との指摘もありました。「週明け30日の大納会で4万円台を維持できるかどうか注目です。

 

 

 

やっぱり7月3日の高値161.95円突破を狙いたい

 

私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。

 

その後、12月5日には「150.325円」で追加ロングしていますが、これは11月15日の高値156.75円の突破を期待してのポジションメイク。平均コストは「147.49円」となっています。あと数日で2024年も終わります。心理的にはいったんポジションをスクウェアにしたいとの想いもありますが、11月15日の高値を上抜けているため、やっぱり7月3日に付けた約37年半ぶりの高値161.95円突破を狙いたいと考えています。

 

なお、ドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」のままに設定しています。

 

*IG証券より

 

なお、「年末年始は欧米では実質的に翌年のスタート期間になるので、機関投資家・ヘッジファンドなどは円売り・ドル買いを仕掛けてくる可能性は高い」とする一方、「160円は既に視野に入っているが、円安が進めば進むほど当局の円安に対する姿勢は厳しくなっていく。来年初めのいずれかの時点で円買い・ドル売り介入が実施される可能性も十分にありそうだ」と警戒を強める市場参加者もいます。

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

この連載の一覧
第68回「やっぱり7月3日の高値161.95円突破を狙いたい」
第67回「ドル円、またまた160円台を目指していくのか」
第66回「日銀の年内利上げ観測後退 1月すらも怪しい」
第65回「感謝祭ウィーク週末のNY午後(日本の夜中2時)」
第64回「投機筋のユーロ売りポジション、再び5万枚に迫る」
第63回「クリスマスラリーに向けて仕込み時か!?その2」
第62回「クリスマスラリーに向けて仕込み時か!?」
第61回「投機筋、円買いポジションを大きく縮小」
第59回「投資の格言『損切りは早く、利は伸ばせ』」
第58回「円安予想で投機的ポジションを再び積み増し!?」
第57回「高市氏勝利を期待したポジションが含み損」
第56回「残暑厳しくも年末ラリーを期待する季節」
第55回「ドル円は年初来安値 歴史的な円安進行は終わり!?」
第54回「ブラックマンデーの再来!?!?(1カ月ぶり2度目)」
第53回「いろいろ底打ち? 日経平均は1カ月ぶり高値」
第52回「ドル円、二番底確認か?底割れか?」
第51回「投機筋のポジション、まさかの円ロングに」
第50回「株も為替もセリング・クライマックス」
第49回「植田総裁が突如タカ派路線、円高と株急落招く」
第48回「投機筋の円売りポジションが10.7万枚まで大幅に減少」
第47回「ヘッジファンドによる円売りポジションが急減」
第46回「ドル円、ピークアウトか 押し下げ介入?のサプライズ」
第45回「ドル円、またまた37年半ぶりの高値を更新」
第44回「ドル円、37年半ぶりの高値 当面は円安・ドル高基調か」
第43回「ドル円、34年ぶりの高値160円に接近 介入は困難か」
第42回「注目のFOMCを通過、今年の米利下げ予想1回に」
第41回「米雇用統計でFRBの年内利下げ観測が後退」
第40回「ドル円、介入規模は過去最大 ただ効果は1カ月」
第39回「ドル円、再び157円台に 介入は困難!?」
第38回「投機筋の円売りポジションが急減 介入受け」
第37回「政府・日銀、投機筋との攻防は長期化の可能性」
第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
第25回「注目のFOMCタカ派寄りもドルは下落」
第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
第18回「米債ロングは利食い FRB議長発言を前にポジションはなし」
第17回「米長期金利、2カ月ぶり低水準 上昇リスクにはなお注意」
第16回「米国債のロングポジション、含み益が拡大」
第15回「米国債のロングポジション、含み損から含み益に」
第14回「米10年債利回り、16年ぶりに『5%』を突破」
第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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