日々是売買~トレードへの道

第54回「ブラックマンデーの再来!?!?(1カ月ぶり2度目)」

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ドル円、底打ちは勘違いだった?

 

ドル円は8月5日に141.70円と1月2日以来の安値まで急落し、「セリング・クライマックス」的な動きを演出し、そのあとは戻りを試す展開となっていました。15日には149.39円まで買い戻される場面がありました。個人的には「底打ちしたのでは?」との印象だったのですが、8月15日以降は戻りをしっかり叩かれており、じりじりと上値を切り下げています。

 

特に今週、ドル円は4日続落しており、戻りすらほぼない状況。3日には植田日銀総裁が経済財政諮問会議に出席し、「物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」との方針を改めて示したことで、円買いが入りやすい地合いとなっていたところに8月米ISM製造業景況指数が下振れ。4日には7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を大きく下回り、5日には8月ADP全米雇用報告、6日には8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回る結果となりました。これを受けてドル円は141.78円と8月5日以来約1カ月ぶりの安値を付けています

 

*Trading Viewより

 

8月5日の安値141.70円が重要なサポートとして働くと下げ渋る場面もありましたが、戻りは限定的となっており、週明け月曜日の取引には注意する必要がありそうです。なお、SNS上では「ブラックマンデー」の単語が話題にナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1240円安の3万5120円まで急落し、1210円安の3万5150円で取引を終えています

 

 

 

投機筋のポジション、依然として円買い越し

 

ヘッジファンドによる円売りポジションは先月、過去17年間で最大規模に膨らみました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模となりました。

 

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成

 

ただ、昨日6日(日本時間7日早朝)に発表された9月3日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは4万1116枚の円買い越しとなっており、その前の週から1万5248枚増加。2021年2月以来の円買い越し=ドル円のショートとなっています。投機筋がこれまでの円売り戦略から円買い戦略に転換した可能性も意識する必要がありそうです

 

 

 

週足の一目均衡表チャートを見ると

 

ドル円の週足の一目均衡表チャートを見ると、引き続き雲の中(雲下限:140.77円、雲上限:146.98円)に入り込んだままとなっています。8月5日の安値141.70円がサポートとして意識されていますが、ここを下抜けてしまうと、雲下限140.77円が次のポイント。週明け月曜日の特に流動性が低い時間帯の動きが怖いところです。

 

*Trading Viewより

 

なお、8月5日の安値141.70円を下抜けた場合は現在のドル円のロングポジションをロスカットしたいと思います。タイミングとしては気が早いと言われる状況だった8月27日に145.05円、28日に143.965円で各ロット「1」、ロングしていますが、まさに気が早い行動だったようです。

 

*IG証券より 

 


 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

この連載の一覧
第55回「ドル円は年初来安値 歴史的な円安進行は終わり!?」
第54回「ブラックマンデーの再来!?!?(1カ月ぶり2度目)」
第53回「いろいろ底打ち? 日経平均は1カ月ぶり高値」
第52回「ドル円、二番底確認か?底割れか?」
第51回「投機筋のポジション、まさかの円ロングに」
第50回「株も為替もセリング・クライマックス」
第49回「植田総裁が突如タカ派路線、円高と株急落招く」
第48回「投機筋の円売りポジションが10.7万枚まで大幅に減少」
第47回「ヘッジファンドによる円売りポジションが急減」
第46回「ドル円、ピークアウトか 押し下げ介入?のサプライズ」
第45回「ドル円、またまた37年半ぶりの高値を更新」
第44回「ドル円、37年半ぶりの高値 当面は円安・ドル高基調か」
第43回「ドル円、34年ぶりの高値160円に接近 介入は困難か」
第42回「注目のFOMCを通過、今年の米利下げ予想1回に」
第41回「米雇用統計でFRBの年内利下げ観測が後退」
第40回「ドル円、介入規模は過去最大 ただ効果は1カ月」
第39回「ドル円、再び157円台に 介入は困難!?」
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第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
第25回「注目のFOMCタカ派寄りもドルは下落」
第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
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第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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