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ドル円、底打ちは勘違いだった?
ドル円は8月5日に141.70円と1月2日以来の安値まで急落し、「セリング・クライマックス」的な動きを演出し、そのあとは戻りを試す展開となっていました。15日には149.39円まで買い戻される場面がありました。個人的には「底打ちしたのでは?」との印象だったのですが、8月15日以降は戻りをしっかり叩かれており、じりじりと上値を切り下げています。
特に今週、ドル円は4日続落しており、戻りすらほぼない状況。3日には植田日銀総裁が経済財政諮問会議に出席し、「物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」との方針を改めて示したことで、円買いが入りやすい地合いとなっていたところに8月米ISM製造業景況指数が下振れ。4日には7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を大きく下回り、5日には8月ADP全米雇用報告、6日には8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回る結果となりました。これを受けてドル円は141.78円と8月5日以来約1カ月ぶりの安値を付けています。
*Trading Viewより
8月5日の安値141.70円が重要なサポートとして働くと下げ渋る場面もありましたが、戻りは限定的となっており、週明け月曜日の取引には注意する必要がありそうです。なお、SNS上では「ブラックマンデー」の単語が話題に。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1240円安の3万5120円まで急落し、1210円安の3万5150円で取引を終えています。
投機筋のポジション、依然として円買い越し
ヘッジファンドによる円売りポジションは先月、過去17年間で最大規模に膨らみました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模となりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
ただ、昨日6日(日本時間7日早朝)に発表された9月3日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは4万1116枚の円買い越しとなっており、その前の週から1万5248枚増加。2021年2月以来の円買い越し=ドル円のショートとなっています。投機筋がこれまでの円売り戦略から円買い戦略に転換した可能性も意識する必要がありそうです。
週足の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の週足の一目均衡表チャートを見ると、引き続き雲の中(雲下限:140.77円、雲上限:146.98円)に入り込んだままとなっています。8月5日の安値141.70円がサポートとして意識されていますが、ここを下抜けてしまうと、雲下限140.77円が次のポイント。週明け月曜日の特に流動性が低い時間帯の動きが怖いところです。
*Trading Viewより
なお、8月5日の安値141.70円を下抜けた場合は現在のドル円のロングポジションをロスカットしたいと思います。タイミングとしては「気が早い」と言われる状況だった8月27日に145.05円、28日に143.965円で各ロット「1」、ロングしていますが、まさに「気が早い」行動だったようです。
*IG証券より
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