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ドル円、150.93円と昨年12月10日以来約2カ月ぶりの安値
今週もマーケットの材料・話題となったのは「トランプ関税」。トランプ米大統領は就任式の演説で「米国の黄金時代がいま始まる」と宣言し、経済について「記録的なインフレを打破し、物価を速やかに下げる」「市民を豊かにするために外国に関税を課す」と表明していましたが、先月には合成麻薬フェンタニルを含む複数の理由を挙げて、「カナダとメキシコに25%の関税措置を発動する」としていました。
ただ結局はカナダとメキシコに対する25%の関税措置は1カ月延期されました。一方、4日には中国からの全ての輸入品に10%の追加関税を発動。中国は対抗措置として米国からの輸入品に2月10日から最大15%の追加関税を課すと発表しています。
*Trading Viewより
ドル円の下落に追い討ちをかけたのが、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測。12月毎月勤労統計の結果や田村直樹日銀審議委員の発言に加えて、赤沢経済再生相や加藤財務相の発言を受けて、市場では「日本政府要人からインフレを意識する発言が出たことで、日銀の利上げ継続は既定路線とみる市場参加者が増えたようだ」との声が聞かれました。
7日にはトランプ米大統領が「米国への輸入品に輸出国と同じ関税率を課す『相互関税』の導入計画を来週発表する」と発言したことで、米国株相場や日経平均先物が下落。リスク回避の円買い・ドル売りも入り、一時150.93円と昨年12月10日以来約2カ月ぶりの安値を更新しています。
テクニカル的にも売りが出やすいか
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、雲の上限155.21円、基準線154.90円、転換線153.45円、雲の下限153.36円を週末の終値(151.41円)で明確に下回っています。さらには200日移動平均線が位置する「152.78円」も週末終値でしっかりと下回っていることもあり、さらなる下落も想定されます。
*Trading Viewより
200日移動平均線は重要な中期線として、機関投資家など多くの市場参加者が注目するポイントになっています。テクニカル的なサポートやレジスタンスとしてだけではなく、ここを中心に投資家心理も大きく変わってくると言われています。テクニカル的にも売りが出やすい状況と言えます。
投機筋、円買い越しに転換
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表する建玉報告を見てみると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円のポジションは7月2日に18万4223枚の円売り越し=ドル円のロングとなり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録しました。ただ、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越し=ドル円のショートとなり、2016年10月以来の高水準を付けました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
しかしながら、この動きはさらに一転二転します。11月12日には6万4902枚の円売り越し=ドル円のロングになったかと思えば、13日に発表された12月10日時点の建玉報告によると、2万5752枚の円買い越し=ドル円のショートに再び振れています。もっとも、2月7日(日本時間8日早朝)に発表された2月4日時点の建玉報告によると、投機筋のポジションは1万8768枚の円買い越しと前の週の959枚の円売り越しから再び円買い越しに転換しています。
結果次第ではポジションをスクウェアに
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。
その後、12月5日には「150.325円」で追加ロングしていますが、これは11月15日の高値156.75円の突破を期待してのポジションメイク。平均コストは「147.49円」となっています。なお、ストップロスの設定についてはドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」にしています。
*IG証券より
ドル円はテクニカル的にも売りが出やすく、投機筋も円買いを進めている状況を鑑みると、ドル円のロングはいったん解消した方が良いのでは?との気持ちが大きくなってきました。トランプ米大統領は「相互関税については10日か11日に協議」と話していますので、結果次第ではポジションをスクウェアにする可能性も。
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