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ドル円、今週の値幅は1円未満
今週のドル円は27日の東京市場で一時151.97円と1990年7月以来約34年ぶりの高値を付け、政府・日銀による為替介入への警戒感がさらに高まったにもかかわらず、動き自体は非常に緩慢。前週末のNYの終値が151.41円、そして29日8時時点が151.42円ですから、ほぼ横ばいの動きということになります。
ドル円の15分足チャート
*Trading Viewより
27日の午前に伝わった田村直樹日銀審議委員の発言が「ハト派的」と受け止められたことをきっかけに、東京市場では円安・ドル高が進行。11時40分を過ぎたあたりで151.97円を付けました。ただ、12時過ぎには鈴木財務相が「(円相場について)高い緊張感をもって見ている」「行き過ぎた動きにあらゆる手段を排除せず断固たる措置」と発言したことで上昇はストップ。
15時30分頃には神田財務官が「3者会合を開く予定ない」「為替について声明を出す予定ない」と話していましたが、夕方になって「財務省・金融庁・日銀は18時15分から会合を開く」と伝わると、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり一転下落しています。
なお、神田財務官はそのあとに「過度な為替変動に対してあらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」「(介入の可能性について)文字通りあらゆる手段を排除しない」と述べています。これらを受けてすでに欧州時間に入っている20時30分過ぎには151.03円まで値を下げています。
もっとも、値幅にすると94銭程度と1円未満の小さな動き。まるで「介入」前=嵐の前の静けさです。
ドル円のロングをついに利食い
先月1日に建てたドル円(標準)のロング@146.33円、ロット「1」は今日29日までキープしていましたが、ついに「151.426円」で利益確定しました。実現損益は「プラス5万960円」。
*IG証券より
ノックアウトオプションが観測されている152.00円などがレジスタンスとして意識されているようですが、個人的にはまだまだ上値をトライすると思っています。ただ、仮に152円を突破して、例えば2円、3円上げたとしても、その後「円買い介入」で5円も6円も下げてしまえば、今よりも利益は減ってしまいます。
2022年10月21日のNY時間
思い出されるのは2022年10月21日のニューヨーク時間。21時30分過ぎに一時151.95円と当時32年ぶりの高値を更新したあとは一転売りが優勢に。米利上げ減速観測が高まったことで米金利が急低下しドル売りを誘った面もありましたが、23時30分頃からは「円買い」が活発化。その時点では「介入観測」でしたが(日経新聞は関係者の話として「政府・日銀は為替介入に踏み切った」と報じています)、一時146.23円まで5円72銭の急落となりました。
*Trading Viewより
なお、このとき市場関係者からは「WSJの記事で米利上げ減速観測が高まったのを見計らったかのような絶妙のタイミング」「週末のNY時間に介入はないだろうと予想していた投資家は多かった」との声が聞かれています。奇しくも本日は年度末にして週末。さらには海外の主要市場がイースター休暇入り。米国も株式・債券・商品市場が休場となるなど、実質休場となっています。
いったん、「利益確定」して様子を見たいと思うのも必然でしょう。市場では「152円を抜けて上昇のスピードが速くなった場合は、為替介入の可能性が高まってくる。そこからは介入とマーケットの神経戦に入ってくる」との声が聞かれています。
ただ、ある市場関係者からは「神田財務官は介入を実施するからには『市場に勝つ介入』を念頭に置いているように見える」「勝つためには投機筋にサプライズを与え、恐怖感を刷り込む必要がある」「となると、前回の高値といったわかりやすい水準ではなく、154~155円台くらいまで引き付けてから、突如実施する可能性はあるかもしれない」との見立てが聞かれています。
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