日々是売買~トレードへの道

第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」

当コラムでは「IG証券」のデモ口座で株価指数・FX・コモディティなどをトレードし、売買のタイミングや結果などを公開。証拠金は各100万円スタート。「IG証券」は「FX口座」「株価指数口座」「商品口座」「個別株口座」「債券先物口座」「その他口座」と多様な資産クラスがワンストップで提供されています。

 

 

 

2連続でストップアウトとなる悲しみ

 

7月末は日本・米国・欧州の中央銀行(BOJ・FRB・ECB)の金融政策を決める会合が相次ぐ、いわゆる「中銀ウイーク」。特に重要な米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り0.25%の利上げでしたが、その後のパウエルFRB議長の会見で「将来の利上げについてはデータを重視したアプローチをとる」「9月利上げはデータ次第」「今後も会議ごとに決定を下していく」との発言が。市場では「米利上げサイクルが終了する」との観測が高まり、米金利低下とドル安が進みました。

 

これを受けて、先月7月28日にとったポジションは「ドル円10ロット売り@140.757円」でしたが、なんと週明け31日にはストップロスの水準である「142円」に到達。あえなく、ストップアウトとなりました。


ドル円の4時間足チャート

*Trading Viewより 

 

ドル円はその後もぐんぐんと上昇し、8月3日の東京市場では一時143.89円(その時点では1カ月ぶりの高値)まで上昇。日銀が臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)を実施し、国内金利の大幅な上昇を抑える姿勢を示したことで、“円売り”が強まりました。

 

ただ、格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国債の格下げなどもあり、この時点でもドル円は下がるとの考えから再度ドル円を@142.965円で8ロット売り。逆指値注文は政府・日銀による介入警戒ラインと言われていた「145円」の少し上、さらには直近高値であった6月30日の高値145.07円より少し上、ということで「145.10円」に設定していました。


 

4日の7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回り、翌週7日の東京市場では141.52円まで値を下げる場面もありましたが、そのあとは再び上昇基調に・・・。11日には145.00円にワンタッチし、翌14日の東京市場では6月30日の高値145.07円を上抜けて断続的にストップロス注文を誘発(私のストップロス注文含め)。その後も上昇は続き、今週17日には146.56円と昨年11月以来約9カ月ぶりの高値を更新しています。

 

 

 

資産(証拠金)が短期間で30%超減る悲しみ

 

1度目にドル円をショートした7月28日から1カ月も経たないうちに、100万円あった証拠金はなんと68万円まで減少。1度目の取引で140.757円⇒142円ストップアウトで12.5万円ほど、2度目の取引で142.965円⇒145.10円ストップアウトで17万円ほど、加えてスワップ支払いが2万円程度でしょうか。

 

*IG証券より



私は「1カ月弱で資産を30%超失いました

 

文字にすると心理的ダメージが大きいですね・・・

 

反省点としては「トレンドの見極めを誤った」ことは当然ですが、一番は「ポジションサイズ(ロット)が大きかった」ことのように感じます。その次が「ポジションメイクするタイミングが雑だった」ことでしょうか。今後はこれらの反省点を踏まえて、トレードしていくべきですね・・・。


ここから復活できるのか!?

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

 

 

 

この連載の一覧
第37回「政府・日銀、投機筋との攻防は長期化の可能性」
第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
第25回「注目のFOMCタカ派寄りもドルは下落」
第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
第18回「米債ロングは利食い FRB議長発言を前にポジションはなし」
第17回「米長期金利、2カ月ぶり低水準 上昇リスクにはなお注意」
第16回「米国債のロングポジション、含み益が拡大」
第15回「米国債のロングポジション、含み損から含み益に」
第14回「米10年債利回り、16年ぶりに『5%』を突破」
第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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