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米長期金利、低下傾向続く 5カ月ぶり低水準
米長期金利の指標となる米10年債利回りは今週も低下傾向が続きました。27日には一時3.7815%前後と7月20日以来の低水準を更新しています。10月には16年ぶりに5%を突破しましたが、その後は債券買い=金利低下が続いています。
今年最後となった12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見が「市場で広がっている来年の利下げ観測を後押しする内容だった」と受け止められ、米金利が低下する格好です。
*Trading Viewより
もっとも、市場の一部では「来年3月の利下げ開始」への期待が高まっている現在の状況について「行き過ぎ」と警鐘を鳴らす向きもあります。
ドル円、戻り鈍く 5カ月ぶり安値
米長期金利の低下傾向が続く中、ドル円は昨日28日に一時140.25円と7月28日以来5カ月ぶりの安値を付けています。
今月の日銀金融政策決定会合での大規模緩和策維持などを受けて早期の政策修正観測が後退すると、いったんは円売り・ドル買いが優勢となり、19日には144.96円まで値を上げました。ただ、11月19日に151.91円と年初来高値を更新したあとの下落トレンドは変わらず。米国のインフレ鈍化が鮮明になる中、米連邦準備理事会(FRB)が来年前半にも利下げに転じるとの観測が引き続きドル売りを促しています。
*Trading Viewより
なお、日銀の植田総裁は今週26日に行われたNHKとのインタビューで「中小企業の賃金データが出てなくても、ほかの中小企業に関する指標が好調で、好循環を生み出すであろうということがあれば、ある程度前もっての判断ができる」と発言。経団連が催促する「できるだけ早い正常化」へ舵を取る可能性を示しています。
また、同インタビューで「チャレンジング発言」について「政策的な意図を強く込めたものではなかったが、市場がどういうことを思っているのか、欲しがっているのかというのは非常によく分かった気がした」と話しています。これについて市場では「この中小企業発言などを聞くと、市場はむしろより混迷を深めてしまい、年明けも市場との対話が成り立ってないことで乱高下となりそうだ」と警戒する向きもあります。
ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ
この「年明けも乱高下しそうだ」との声の裏には、個人的にもトラウマとなっている「2019年1月3日のフラッシュクラッシュ」があります。実際、市場関係者からは「このフラッシュクラッシュが年末年始にも起きるのではとの警戒感から、ドル円の買いポジションを手仕舞っている向きもいるようだ」との声が聞かれました。
*Trading Viewより
当時はアップルによる四半期決算に対する警告「売上高予想を913億ドルから813億ドルに大幅下方修正」がリスク・オフを促したとされています。まだ正月三が日で日本の市場参加者が極端に少ない1月3日、さらにNY市場がクローズした後の海外勢も不在となる「最も流動性の薄くなる時間帯」に入ると、ドル円は「108.00円を下抜けた後はほとんどレートが消えたような状態」となって、一気に105.00円割れまで急落。短時間で108.92円から104.87円までまさに一瞬の暴落となりました。
この日はインターバンク市場のレートをヒアリングしてみても安値は「104.87円」とか「104.99円」とか、「どのレートがメイクセンスなのかわからない」値動き。まるで、「南アランド円やトルコリラ円のクラッシュと同じ」状況に陥ることになり、かなりの混乱が生じたことが明らかになりました。
なお、為替市場は24時間取引が行われていますが、NYクローズからの1~2時間は流動性が最も低下する時間帯です。為替のメインプレーヤーである欧州勢が眠りについている真夜中の時間帯にフラッシュクラッシュが多発することから、「魔女が出る時間(witching hour)」と呼ばれています。
2019年3月には英ファイナンシャル・タイムズ紙が「Markets fret over currencies going bump in the night」という記事で、この日本時間早朝のフラッシュクラッシュを取り上げています。
*ファイナンシャル・タイムズHPより
ドル円、142.715円のショートは維持
今月21日にドル円(標準)を142.715円でショートしていますが、今後も戻りは丁寧に売っていきたいと考えています=売り増し。前回は短期間に資産を30%減らすという大失敗=第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」を冒していますので、今後は丁寧なトレードを心掛けていきたいと思います。
*IG証券より
なお、ロットは「1」ですので、まだ利益は「1万円」程度。「損小利大」で利益をできるだけ大きくしたいところです。
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本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。