日々是売買~トレードへの道

第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」

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米CPI上振れで株安・金利上昇・円高も

 

 

今週一番の注目イベントである3月米消費者物価指数(CPI)でしたが、結果は前月比0.4%/前年比3.5%と予想の前月比0.3%/前年比3.4%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.4%/前年比3.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%より強い内容となりました。これを受け、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まると、NYダウが一時570ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移。個人的には「リスク・オフ」の様相が強まり、円高が進むと期待していたのですが・・・。


*Trading Viewより

 

ショートポジションを持っているユーロ円は、米CPI発表後にユーロドルの下落につれた売りが出て164.03円まで下げる場面もありましたが、その後もみ合い。結局、「ドル相場」となったため、ユーロ円自体は方向感に乏しい展開となりました。

 

*Trading Viewより

 

一方でドル円は全般ドル買いが優勢となった流れに沿って、節目の152.00円や153.00円を突破。目先のストップロスを断続的に誘発し、一時153円台に乗せています。昨日11日に発表された3月米卸売物価指数(PPI)は予想を下回ったにもかかわらず、米長期金利が上昇したこともあり、結局153.32円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新しています。


ドル円の日足チャート 

*Trading Viewより

 

米PPIを受けて市場では「前日の米CPIが予想比上振れとなり、インフレへの懸念が高まっていただけに、PPIの結果は米金融当局者に一定の安堵感を与え、不安を和らげる内容となった」との声が聞かれていましたが、債券・為替市場では違う捉え方がされたようです。株式市場ではこの見方があったのか、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など半導体株に買いが集まり、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反発。史上最高値で取引を終えています。

 

 

 

介入期待もあってユーロ円のショートは維持

 

ユーロ円は3月20日に165.35円と2008年8月以来の高値を更新したあと162円台まで調整したものの、そのあとは再び上昇。9日には165.17円まで値を上げています。ただ、米CPI上振れや中東情勢を巡る懸念からリスク・オフの円買いで失速しました。この流れが続くと予想し、ユーロ円(標準)をロット「1」、163.929円でショートし、ストップロスは直近高値である3月20日の165.35円より少し上の「165.45円」に設定しています。当然、政府・日銀による円買い介入への期待もあります。

 

*IG証券より

 

なお、大手ベンターは「介入期待の個人投資家、過去最大級の円買いで逆張り-海外勢と対照的」と記事で、「個人投資家は過去最大規模の円買いポジションを抱えながら、通貨当局による円買い介入を待ち構えている」「介入により円が急反発=円高が進む局面を捉えて収益を得るのが狙い」としています。一方、海外投資家は円安進行を見据えて円売りポジションを積み上げており、その姿勢とは対照的と締めくくっています。

 

 

東京金融取引所がHP上で公表している外国為替証拠金(FX)取引「くりっく365」のデータによると、個人投資家のドル円のショートポジションは(円買いポジション)は2月に記録した過去最大である28.4万枚とほぼ同水準(28万枚超)での推移が継続。介入を期待(切望)して、ドル円のショートポジションを維持していることが伺えます。

 

*東京金融取引所HPよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

 

 

当然、私も政府・日銀による円買い介入を期待してユーロ円をショートしているわけですが、バンク・オブ・アメリカのストラテジストは「ドル円が155円に向かって上昇すれば当局が介入するリスクが高まる」と指摘しています。「ファンダメンタルズ面の新たな展開を伴わずにドル円が急激に155円に向かえば、介入の可能性」と説明。加えて、「当局がドル円の155円突破を許すなら驚きだ」としています。

 

一方で、介入が実施されれば「ドル円を5円程度押し下げる」との見立ては多く、ユーロ円も同様の動きが予想されます。

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

この連載の一覧
第38回「投機筋の円売りポジションが急減 介入受け」
第37回「政府・日銀、投機筋との攻防は長期化の可能性」
第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
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第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
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第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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