日々是売買~トレードへの道

第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」

当コラムでは「IG証券」のデモ口座で株価指数・FX・コモディティなどをトレードし、売買のタイミングや結果などを公開。証拠金は各100万円スタート。「IG証券」は「FX口座」「株価指数口座」「商品口座」「個別株口座」「債券先物口座」「その他口座」と多様な資産クラスがワンストップで提供されています。

 

 

 

米10年債利回り、5カ月ぶり低水準

 

米長期金利の指標となる米10年債利回りは今週も低下傾向が継続。昨日21日には一時3.8268%前後と7月24日以来約5カ月ぶりの低水準を更新しています。10月には16年ぶりに5%を突破しましたが、その後は債券買い=金利低下が続いています。

 

今年最後となった12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見が「市場で広がっている来年の利下げ観測を後押しする内容だった」と受け止められ、米金利が低下する格好となりました。


米10年物利回りの日足チャート 

*Trading Viewより


特に、パウエルFRB議長が会見で「インフレは緩和したものの、依然として高すぎる」「FOMCは適切であれば追加引き締めの用意」としながらも、「きょうの会合で利下げのタイミングを協議した」「FOMCは現状維持が長すぎる場合のリスクを認識」と話したことが意識されています。パウエル議長以外のFRB高官による火消しが相次ぎましたが、「鎮火は出来ず」といったところです。

 

 

 

ドル円、日銀金融政策決定会合後も戻り鈍い

 

ドル円は先週14日のアジア時間に一時140.97円と7月31日以来の安値を付けましたが、その後は下げ渋る展開となりました。日銀の大規模金融緩和策の維持や、会合後の植田和男日銀総裁による会見を受けて市場で先行していた早期の政策修正観測が後退すると円売り・ドル買いが進行。19日には144.96円まで値を上げました。


ドル円の日足チャート 

*Trading Viewより

 

ただ、戻りは「非常に鈍い」印象です。昨日21日の7-9月期米国内総生産(GDP)確定値や米経済活動の3分の2超を占める個人消費、FRBが物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が予想を下回ったことで再び「ドル安」の様相が強まると、一時142.05円まで押し戻されています。

 

 

 

ドル円、「売り」シグナル点灯

 

ドル円はテクニカル分析で「売りシグナル」が点灯しています。日銀の大規模金融緩和継続を受けて、いったんは200日移動平均線や一目均衡表転換線を上抜けましたが、その後再び上値が重くなり、200日移動平均線や一目均衡表転換線を下抜け。本日22日の東京市場では142円を割り込んでいます。上値切り下げの「下落トレンド」となっています。テクニカル的に下値目処は「斜行三角形」の目標値である137.25円となります。


ドル円の日足チャート 

*Trading Viewより



 

ドル円、142.715円でショート

 

昨日21日にドル円(標準)を142.715円でショートしました。ロットは「1」。今後戻りは売っていきたいところですが、前回は短期間に資産を30%減らすという大失敗=第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」を冒していますので、今後は丁寧なトレードを心掛けていきたいと思います。

 

*IG証券より

 

なお、今晩される11月米PCEコアデフレーターはFRBがインフレ指標として重視している大事な指標です。米国のインフレ率がFRBのインフレ目標である2.0%に近づきつつあることで、「フェドウオッチ」が示唆している来年3月のFOMCでの0.25%の利下げ開始が現実味を帯び始めています。結果次第ではさらなる「ドル安」が期待できます。

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

 

この連載の一覧
第37回「政府・日銀、投機筋との攻防は長期化の可能性」
第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
第25回「注目のFOMCタカ派寄りもドルは下落」
第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
第18回「米債ロングは利食い FRB議長発言を前にポジションはなし」
第17回「米長期金利、2カ月ぶり低水準 上昇リスクにはなお注意」
第16回「米国債のロングポジション、含み益が拡大」
第15回「米国債のロングポジション、含み損から含み益に」
第14回「米10年債利回り、16年ぶりに『5%』を突破」
第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

中村 知博の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております