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ドル円、石破首相の火消しで持ち直す
先週末は金融市場に激震を与えた「石破ショック」がありましたが、週明け9月30日も日本株とドル円はその流れを受けて急落しました。自民党総裁選で石破茂元幹事長が勝利したことで、市場では「石破氏の勝利が日銀による追加利上げの道を開いた」との声が聞かれたほか、「自民党総裁選で日銀の利上げに批判的な高市早苗氏が勝利するとの思惑から膨らんでいた円売りポジションを解消する動きが広がった」との指摘がありましたが、それが続いた格好です。この日の日経平均は終値で1910円安。ドル円は141.65円まで売り込まれる場面がありました。
*Trading Viewより
ただ、石破茂首相は2日、植田和男日銀総裁との会談後、「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」「これから先も緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展することを期待している」と発言。火消しを図りました。就任前は金融政策の正常化による「金利のある世界」を肯定していた首相の発信の変化に市場は敏感に反応し、株高と円安が急速に進んでいます。
さらに、昨日末4日の9月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比25.4万人増と予想の14.0万人増を上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%よりも強い結果となったことが分かると、市場では米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが想定より遅くなるとの見方が強まり、米長期金利の急上昇とともに円売り・ドル買いが加速。一時149.00円と約1カ月半ぶりの高値を付けています。
11月FOMCでの0.50%利下げ確率がゼロに
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを予想する確率は前日3日の32.1%から0%になりました。なお、0.25%の利下げ確率は97.0%、据え置きは3.0%となり、据え置き予想も出始めました。
*CME FedWatch Toolより
投機筋、円買いポジションの拡大が一服
ヘッジファンドによる円売りポジションは7月、過去17年間で最大規模に膨らみました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模となりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
ただ、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越しと、2016年10月以来の円買い越し=ドル円のショートとなりました。しかしながら、この動きも一服。昨日10月4日(日本時間5日早朝)に発表された10月1日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは5万6772枚の円買い越しと前の週から9239枚減少したことが明らかに。投機筋による円買いポジションの拡大にひとまず歯止めがかかっています。
設定したストップロス水準を割り込まず
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました(嬉しい悲鳴)。正直、週明け早々にロスカットになると思っていました。
ドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ています。よって、ここより若干下の「139.50円」にストップロス注文を設定しています。
*IG証券より
なお、市場では「トレーダーらは円安を予想して投機的なポジションを再び積み増している。これは石破首相の発言に勇気付けられたためだ。ヘッジファンドが好むキャリートレードで、利回りの高い資産を買うために円を売る魅力が高まっており、ドル円は150-155円の水準まで上昇する可能性があると見ている」との声が聞かれました。
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