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記念すべき最初のポジションはあえなくストップアウト
前週末に建てたドル円「140.757円」のショートは週明け早々に「142円」でストップアウトとなってしまいました。逆指値をオーダーしていたので、気付いたらポジションがなくなっていた格好です。第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」でも指摘した通り、ドル円は下がると思ってショートしたにもかかわらず、予想に反して上昇。あえなくストップアウトとなりました。
私のストップロスをヒットしたあともドル円はぐんぐんと上昇し、昨日3日の東京市場では一時143.89円と7月7日以来約1カ月ぶりの高値を更新する場面がありました。日銀が臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)を実施し、国内金利の大幅な上昇を抑える姿勢を示したことで、円売りが強まったようです。
ドル円下落見通しに変化なし
ただ、ドル円が下がるとの見通しに変わりはなく、戻りは売っていきたいと思っています。昨日建てた私のポジションは(1)「ドル円のショート」。約定レートは「142.965円」、ロットは「8」。
*IG証券より
逆指値注文(ストップロスオーダー)は(2)「145.10円」に設定しています。直近高値である6月30日の高値145.07円を超えたらあきらめるということですね。この「145円」はチャート的にも重要ですが、心理的にも非常に重要視されるところです。
政府・日銀は昨年9月、ドル円が145円台後半まで上昇した際、24年ぶりの円買い介入に踏み切りました。また、10月には151円台後半と約32年ぶりの円安水準で過去最高の5兆超規模の介入を行っています。これを受けて、マーケットでは「145円」と「150円」の水準が介入警戒ラインとして意識されています。
神田真人財務官は6月下旬に145.07円まで円安が進んだ際、「高い緊張感を持って注視し、行き過ぎた動きがあれば適切に対応する」と発言し、市場をけん制しています。政府・日銀による介入への警戒感が高まる中、ドル円は7月に入ると下落基調を強め、米インフレ指標の下振れもあって、7月14日の東京時間に一時137.25円と約2カ月ぶりの安値を付けました。
ドル円の日足チャート
*Trading Viewより
ドル円と日経平均の相関性から
ドル円と日経平均は相関性が顕著ですが、これは海外勢が日経平均を買うと同時にドル円をロングする(逆の場合は日経平均の売りとドル円のショート)からだ、と言われています。これまで日経平均は海外勢の買いを背景に上昇してきましたが、このところ上値の重さが目立っています。昨日3日の海外市場で日経平均先物は大証終値比520円安の3万1660円まで大きく下落する場面がありました。
ドル円と日経平均先物の1時間足チャート
*Trading Viewより
あくまで先物ですが、ドル円に先行して売られています。現物の日経平均も売られるようなら、ドル円は下値を探る展開が予想されます。
なお、足もとの日本株の下落のきっかけには「米国債の格下げ」があると言われています。米格下げをきっかけに利益確定の売りが広がったとの解釈です。
また、一部には「日銀の政策修正による長期金利の上昇を警戒する声」もあり、これも株式相場の重しになっているようです。「日本の長期金利がじわじわ上がってきていることを、株式市場も気にしている可能性がある」といいます。ある市場関係者からは「日本株は海外投資家の先物売りにより需給バランスが崩れた可能性が高い。足の速い先物投資家は圧倒的な価格支配力があり、売り転換すると上昇基調の相場でもいとも簡単に崩れてしまう」との警戒が聞かれています。
米国債の格下げ
格付け会社フィッチ・レーティングスは1日、米長期国債の格付けを最上位の「AAA」から「AA+」に1段階引き下げたと発表しました。今後3年間の財政悪化や政府債務の高止まりを懸念して、米国の債務上限問題を巡る政治の混乱を指摘しています。米国債の格下げは約12年ぶり。同社は格下げについて「財政、債務問題を含め過去20年間、ガバナンスの水準は悪化している」と指摘しています。
米国債格下げや米財務省による中期債発行額の引き上げなどを背景に米国債相場は下落が続き、米10年債利回りは3日に一時4.1955%前後と昨年11月8日以来の高水準を付けました。ただ、ドル円のサポートにはなっていません。米金利の上昇はドル円の買い要因でしたが、昨日について言えば反応が鈍い、というよりもほぼ反応がない状態。個人的にはドル円は下サイドのリスクが高くなっていると考えています。
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