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米重要イベント通過
今週のドル円相場は153.72円まで下げる場面もありましたが、結局155.19円で週引け。前週末終値の156.00円からは81銭程度下げたのみとなっています。今週の注目材料であった米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通り政策金利が4.25-4.50%で据え置かれました。声明では労働市場についての認識が「概して緩みつつある」から「堅調」に修正され、インフレに関しては前回と同様に「幾分高止まりしている」とされたものの、「2%の目標に向けて進展してきた」との表現が削除されました。当初、「FRBは今後の利下げに慎重な姿勢を示した」との受け止めから、ドル買いが入る場面もありました。
ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がFOMC後の記者会見で、インフレに関する文言削除について「特に何かを示唆するものではない」と説明するとドルはやや弱含んでいます。なお、パウエル氏は「経済が堅調であるため、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」として、「追加利下げにはさらなるデータが必要だとの見方は変わっていない」と述べています。
*Trading Viewより
FOMCよりも材料視されたのは「米国の関税」。トランプ米大統領は就任式の演説で「米国の黄金時代がいま始まる」と宣言し、経済について「記録的なインフレを打破し、物価を速やかに下げる」「市民を豊かにするために外国に関税を課す」と表明していましたが、30日には合成麻薬フェンタニルを含む複数の理由を挙げて、「カナダとメキシコに25%の関税措置を発動する」と改めて発言。米インフレ再加速への懸念が高まりドル買いが活発化しました。
翌31日には「トランプ米大統領は2月1日の発動を警告していたカナダとメキシコに対する25%の関税措置を3月1日に延期する見通し」との一部報道が伝わりましたが、レビット米ホワイトハウス報道官が「カナダ・メキシコ・中国への関税は2月1日発動。延期の報道は誤り」と述べ、この報道を否定しています。
投機筋、ポジションはほぼフラットに
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表する建玉報告を見てみると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円のポジションは7月2日に18万4223枚の円売り越し=ドル円のロングとなり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録しました。ただ、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越し=ドル円のショートとなり、2016年10月以来の高水準を付けました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
しかしながら、この動きはさらに一転二転します。11月12日には6万4902枚の円売り越し=ドル円のロングになったかと思えば、13日に発表された12月10日時点の建玉報告によると、2万5752枚の円買い越し=ドル円のショートに再び振れています。もっとも、31日(日本時間2月1日早朝)に発表された1月28日時点の建玉報告によると、円売りポジションは959枚と前の週から1万3714枚減少。大きなポジションの偏りは解消され、ほぼフラットな状態となっています。
ドル円のロングは引き続き維持
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。
その後、12月5日には「150.325円」で追加ロングしていますが、これは11月15日の高値156.75円の突破を期待してのポジションメイク。平均コストは「147.49円」となっています。年末年始を挟むこともあり、心理的に「いったんポジションをスクウェアにしたい」との想いもありましたが、11月15日の高値を上抜けているため、「やっぱり7月3日に付けた約37年半ぶりの高値161.95円突破を狙いたい」との考えからポジションは維持しています。
*IG証券より
なお、ストップロスの設定についてはドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」にしています。
*Trading Viewより
なお、ドル円の一目均衡表チャートを見ると雲の上限を上回っており、まだまだ上サイドを狙える状況。投機筋のポジションもほぼフラットになり、ポジティブに偏りがないことから、ここからの上昇余地はあると考えます。一方、「日米欧の金融政策が相場変動要因になりづらい環境の中で、注目はトランプ米政権の経済政策。短時間で方向が二転三転するような展開も予想されるだけに、レンジを決めて逆張り作戦が有効か?」との声も聞かれています。
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